2016年11月06日更新

おすすめの本をランキングで紹介【小説以外の新書・文庫・叢書】

こ運営チームとユーザーの投票によって「おすすめ」された人気の本を、ランキング形式で紹介しています。
この記事では、小説以外の哲学書、教養書、新書、自己啓発本などを扱っています。

1位から順に表示され、スクロールするほどランキング下位になります。読みたいと思える本が見つかりましたら幸いです。

1位 人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ/A.H.マズロー

「マズローの欲求5段階説」は誰もが知っている……おそらく小学校や中学校の保険体育あたりで習うようなものだろうが、原典を読んだことがある人はごく少数だろう。
マズローの本は、精神分析や行動分析といった「科学」ではなく、人間の主体性、創造性、自己実現の可能性に焦点を当てた「人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)」だ。
フロイト、ユング、フロムなど、様々な精神分析を踏まえながら、「人間の自己実現」という、多くの人にとって最も興味深い問題の核心に迫っていく。
本書を読めば、世に蔓延る「自己啓発本」が、いかに薄っぺらいものかがわかる。すらすら読める本ではないが、本当に心の肥やしになるものが簡単に読めていいわけがない。自己啓発本を何冊も持っている人は、早急に書店に行って本書を買い、時間をかけて挑戦してみるべきである。

6 Like!

「人間とは何か?」に対する深い洞察に溢れる、学際的、総合的な人間科学です。
面白いだけではなく、非常に実践的な本でもある。分厚い本ですが、ビジネスマンや教育者などでも読んでおくべきであると思います。

4 Like!
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ
  • メディア単行本
  • 作者A.H. マズロー,小口 忠彦
  • 出版・メーカー産能大出版部
  • 発売日1987-03-10
人間性の心理学...を詳しく見る
197回GoodされましたGood!

2位 日本の歴史をよみなおす/網野善彦

網野善彦は、日本人なら読んどけ、というレベルの本をいくつか書いている。
アニメ映画『もののけ姫』の原作とも呼ばれているように、宮﨑駿など、多くのクリエイターにインスピレーションを与えてた。網野善彦は、それほどまでに「面白い」のだ。歴史を捉え返すことがまさかこんなに面白いとは……と思ってしまう。
本当は『無縁・公界・楽』などを読んで欲しいが、『日本の歴史をよみなおす』なら、中高生でも読み通すことはできようし、最初に読むものとしてはお薦めである。ただ、タイトルの割には網羅的な本ではなく、中世という時代を主に扱っていることに注意。

7 Like!

日本の「中世」って、歴史ドラマとかを見ていても、あんまり人々の関心にならないようです。平安とか、戦国とか、幕末の人気が高い。
でも「中世」を論じる本書は、下手なドラマとか教育番組よりも、ずっとずっと面白いです。自分の歴史に対する漠然とした認識を覆される感じがして、歴史ってこんなに面白かったんだー!という感想です。
わかりやすく現代風に脚色された歴史ドラマよりも、本当の「歴史」に触れるような体験をしてみてはいかがでしょうか?

4 Like!
日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)
  • メディア文庫
  • 作者網野 善彦
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日2005-07-06
日本の歴史をよ...を詳しく見る
196回GoodされましたGood!

3位 ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる/P・F・ドラッカー

岩崎なんとかというハゲの子供だましの薄っぺらいアニメ本でドラッカーが知られることになったのは嘆かわしいことです。あれのせいで、ドラッカーがまだ右も左も分からない、背伸びをしたがる大学生に馬鹿にされるものになってしまった。
とんでもないことです。ドラッカーほど、確固たる視点を持ち、大局的に世の中を見回すことのできた学者は存在しません。見くびること無く、少なくとも一冊はまともに読んでみるべき著者です。読んでからはどんな感想を持とうと自由ですが、ハゲ野球本を読んでドラッカーをわかった気になることだけは許されません。
『ネクスト・ソサイエティ』は、日本についての記述が多く、内容もとっつきやすいので、日本人の初見の読者にオススメできます。

5 Like!

慧眼としかいいようがない。「マネジメント」に限らず、社会のこと、人間のこと、あらゆることが書かれている。
本を読み、文字を追って著者の思考をなぞることは、その「見通し方」を学ぶことでもある。これから先の、激動の世界で、「ドラッカーならどう考えるだろう?」という強力な視点を武器にできるのは、なんとも心強い。
ビジネスに携わる人は必ず読むべき本です。読むたびに仕事や勉強のモチベーションがアップします。

4 Like!
ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
  • メディア単行本
  • 作者P・F・ドラッカー,上田 惇生
  • 出版・メーカーダイヤモンド社
  • 発売日2002-05-24
ネクスト・ソサ...を詳しく見る
192回GoodされましたGood!

4位 世界史/ウィリアム・H. マクニール

すばらしい本です。人類の始まりから現代までをたった2冊の本にまとめた上に、教科書的ではなく、普通に読んで楽しめるものになっています。西洋人が書いたものながら、アジアやアフリカについてもしっかり書かれているということで高い評価を得ています。まさに「世界史」です。
東大教授が大学生に進める本の筆頭に挙げられていますが、本書のような通史を眺め、歴史の感覚を自分の中に植え付けておくことは、目指す分野を問わず今後の人生の糧となると思われます。

4 Like!

世界的な名著なのだが、日本語訳は翻訳があまり良くないのが難点。英語で読んでも損はない本なので、時間のある文系の学生は、原著に挑戦してみてもいいかもしれない。なんなら自分で訳したいくらい、素晴らしい本なのだ。
また、そこが魅力でもあるのだが、教科書とは違って、著者のマクニールの歴史観でもある。ここに書かれていることがすべて正しいとして読むのではなく、一人の偉大な歴史家の編集作業として、本書を精読してみると良い。本物の教養に近づくための第一歩に相応しい名著だ。

3 Like!
世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)
  • メディア文庫
  • 作者ウィリアム・H. マクニール,William H. McNeill,増田 義郎,佐々木 昭夫
  • 出版・メーカー中央公論新社
  • 発売日2008-01-25
世界史/ウィリ...を詳しく見る
192回GoodされましたGood!

5位 現代の金融入門 [新版] /池尾和人

金融について安心してしっかり学べる、数少ない国内の良書。
内容は易しくないが、無駄に複雑だったり長ったらしいわけではなく、意味のある難しさと厳密さだ。
経済学の本はままあれど、「金融」の入門書は、その重要さに比して極めて数が少ない。専門外だが、金融について少し勉強してみたい、と言う人がいれば、私は迷わず本書を薦めるだろう。

3 Like!

著者の池尾和人氏は、信用できる金融の専門化である。理論的なアプローチをして、宗教じみたことは一切言わない。
ちくま新書として出版された本書は、少ないページ数に、銀行の役割から企業統治、バブルやデリバティブなど、広範に渡る金融のエッセンスが詰め込まれている。また、きっちりと原理を理解できる書き方にもなっている。
氏の著作の中ではかなり読みやすいほうで、コンパクトにまとまっているので、金融を勉強したい方におすすめしたい。

1 Like!
現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)
  • メディア新書
  • 作者池尾 和人
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日2010-02-10
現代の金融入門...を詳しく見る
192回GoodされましたGood!

6位 ソロモンの指環―動物行動学入門/コンラート ローレンツ

すべての「生き物」好きに捧げたい。
動物行動学者でノーベル賞も受賞したローレンツが、観察した動物たちを描く。
生命の愛おしさに溢れていて、子供ができたら本書を読ませると決めている。
とにかく、大切だと思える本なのだ。

5 Like!

人生を変えた本です
ローレンツ博士になりたかった。
いろんな動物たちという、愛らしい生き物があふれるこの世界に感謝したい

2 Like!
ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)
  • メディア文庫
  • 作者コンラート ローレンツ,Konrad Lorenz,日高 敏隆
  • 出版・メーカー早川書房
  • 発売日1998-03
ソロモンの指環...を詳しく見る
192回GoodされましたGood!

7位 ご冗談でしょう、ファインマンさん/リチャード P. ファインマン

ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンの自伝(といっても本人が書いたわけではない)なのですが、最高の娯楽本でもあり、最高の自己啓発書でもあります。
面白くて、愛らしくて、心からすごいと思える人物っているんですよね。この本は自分の人生のバイブルです。
『宇宙兄弟』という漫画がありますが、同じような読後感だと感じました。楽しむこと、夢を追うことの大切さを教えてくれます。
ファインマンさんは、来日して湯川秀樹教授の研究室で過ごし、けっこう日本を気に入ってくれたみたいです。なんか嬉しいです。

4 Like!
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
  • メディア文庫
  • 作者リチャード P. ファインマン,Richard P. Feynman,大貫 昌子
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日2000-01-14
ご冗談でしょう...を詳しく見る
192回GoodされましたGood!

8位 ヴェニスの商人の資本論/岩井克人

岩井克人の最も輝かしい仕事だと思う。(もちろん素人目に見て、だが)
経済学、社会学、文学、思想……あらゆる知を掛け合わせる才覚で、おどろくほど面白い経済論考になっている。中でも表題になっている『ヴェニスの商人の資本論』は目から鱗が落ちた。なぜ、シェイクスピア『ヴェニスの商人』に出てくる悪者はユダヤ人でなければならなかったのか。『ヴェニスの商人』を知らなくてもまったく問題ないように書いてあるので、とにかく読んでみて欲しい。

5 Like!
ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)
  • メディア文庫
  • 作者岩井 克人
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日1992-06-26
ヴェニスの商人...を詳しく見る
191回GoodされましたGood!

9位 ゾウの時間 ネズミの時間/本川達雄

今まで読んだ科学系の新書の中で一番面白かったです!
サイズによって、生物のふるまいに違いが現れる。ゾウのように身体の大きな動物は心臓の鼓動がゆっくりで、ネズミのように身体の小さな動物は心臓の鼓動が激しい。ゾウとネズミは、同じ空間にいながら、まったく違う時間を生きているのだそう。それでも、生涯に刻む心臓の鼓動の回数は同じなのだ。なんということだ!
生命の凄さを感じるとともに、小さな動物や大きな動物と対比して人間の存在を捉え返す視点も身につきます。

2 Like!
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)
  • メディア新書
  • 作者本川 達雄
  • 出版・メーカー中央公論社
  • 発売日1992-08
ゾウの時間 ネ...を詳しく見る
190回GoodされましたGood!

10位 定本 物語消費論/大塚英志

オタク系、サブカル系の論評としては、一番まともな本だと思います。著者の大塚英志は、民俗学という専門分野の知見も深く、江藤淳などを引き継いだ正統な「批評家」とみなされるべき人物だと考えています。
一時期話題になった東浩紀の『動物化するポストモダン』は、完全に大塚英志の焼き増しであり、何ら新しい知見が加わっているようには思えませんでした。その後の「評論家」である宇野常寛などは、東浩紀のおんぶ抱っこでのし上がり、後に東を裏切った人物です。
オタクサブカルチャー界隈で、安心して読む価値があると言えるのは、この大塚英志のみです。大塚は、批評家の中では見た目も喋り方も断トツで気持ち悪く、性格も悪いですが、書くものはある程度信頼に足ります。

7 Like!

オタク語りの原典とも言われる、大塚英志の主著。
後のオタク系批評家で、本書の影響を受けていない者は皆無に等しい。マンガやアニメが好きな人、日本のサブ・カルチャーの見識を深めたい人にはぜひオススメしたい一冊。

1 Like!
定本 物語消費論 (角川文庫)
  • メディア文庫
  • 作者大塚 英志,西島 大介
  • 出版・メーカー角川書店
  • 発売日2001-10-25
定本 物語消費...を詳しく見る
189回GoodされましたGood!

11位 虚数の情緒―中学生からの全方位独学法/吉田武

「独学」するための本です。
大事なことほど独学ではないと身につかない、と主張する人は多いですが、その真偽はともかく、独学はロードマップが示されないことが欠点だと思います。また、途中で飽きると続きにくくなってしまう。
「虚数の情緒」は、1000ページある大著で、一冊で広範な分野を扱い、適切な道標と堅実な階段が用意されています。著者独特の真剣な語り口で、中学生でもわかる話から始まって、最後にはとんでもないところまで連れて行ってくれます。
「独学」が好きな人、「独学」をしなければならない人、本書の序文を読んで「独学」という言葉に惹かれてしまった人、すべてにおすすめしたいです。

4 Like!

「中学生からの全方位独学法」とサブタイトルにあるが、さすがに(よっぽど頭が良くない限りは)中学生に読み通すのは難しいと思う。しかし、高校生くらいの「独学本」としては、非常に良くできている。
下手に高校の授業を受けるくらいなら、一年かけて本書とじっくり付き合ったほうが、よっぽどまともな知識と考え方が身につく。

1 Like!
虚数の情緒―中学生からの全方位独学法
  • メディア単行本
  • 作者吉田 武
  • 出版・メーカー東海大学出版会
  • 発売日2000-03
虚数の情緒―中...を詳しく見る
189回GoodされましたGood!

12位 チベット旅行記/河口慧海

Kindleで無料だったので読みましたが、こんなにすごい人物が日本にいた事を、いままで知らなかった自分を恥じました。
日本人最初のチベット旅行者である河口慧海は、鎖国をしているチベットという国に、チベット語の仏典を求め、まるで漫画のような冒険をしてたどり着きます。ノンフィクションの面白すぎる冒険記であり、何のガイドもなしにコンパス片手にヒマラヤ山脈を越えるなど、プロの冒険家でもできないようなことをやってのけました。
淡々とした記述は、逆に凄みを感じさせ、またチベットの風俗や習慣についての記述が的確なので、いまだにチベット研究の文献に使われているそうです。
これが実際にあったことなんて、今だに信じがたいくらいです。

0 Like!
チベット旅行記(1) (講談社学術文庫)
  • メディア文庫
  • 作者河口 慧海
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日1978-06-10
チベット旅行記...を詳しく見る
189回GoodされましたGood!

13位 日本語練習帳/大野晋

練習問題付きの、日本語について解説した本です。
日本人に向けた、日本人のための日本語解説書です。日本語の捉え方の根本に迫っている素晴らしい名著だと思います。
ちゃんと原理的に解説できるところを解説していて、瑣末な言葉遣いにこだわるのではなく、言語は常に変化していくものだという認識を持っているところも素敵です。
本書を読めば、高校の国語教育がいかに適当なものかがわかります。学生時代に「国語」という教科が嫌いだった人にこそオススメしたいです。

6 Like!

国語力、文章力を向上させたい人におすすめしたい。
文章の上手さは、感覚や慣れが結局は大きなファクターなのだが、理論的な支柱がないと安心できないという方にとって、数少ない参考にできる書籍である。新書ながら、「は」と「が」は何が違うのかなど、しっかりと誰にでも納得できるように説明している。

2 Like!
日本語練習帳 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者大野 晋
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1999-01-20

14位 時間の比較社会学/真木悠介

名著です。比較社会学の面目躍如と言っていい。ちなみに「真木悠介」は高名な社会学者「見田宗介」のペンネームです。
本書には、原始的、古代的な時間間隔から切り離され、近代的な時間意識がいかに生じたかが書かれています。鮮やかな分析なのですが、なぜか、原始的な共同体から切り離されてしまった人々の嘆きの深さが伝わってくるようでもあります。

7 Like!
時間の比較社会学 (岩波現代文庫)
  • メディア文庫
  • 作者真木 悠介
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日2003-08-20
時間の比較社会...を詳しく見る
187回GoodされましたGood!

15位 訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ-/山形浩生

世界中の面白い本を翻訳し、日本に紹介してくれる山形浩生の、「訳者解説」だけをまとめた本です。
海外の最先端の知見の一覧表のようになっていて、わかりやすく、刺激的で、何より読んでいて楽しいです。山形氏の独特の毒舌口調に乗せられて、知的興奮がヒートアップしてくる感じがします。
山形浩生の文章って、立派な「文体」だと思うんですよね。あのグループ感と、読んでいて自分も頭が良くなったと錯覚してしまうような勢いは、彼以外は書くことが不可能だと思うのです。

2 Like!

著者の山形浩生氏はめちゃくちゃ頭がいいのだと思う。口は悪いけど頭がキレる嫌味なやつだ。
それでも、著作はマジで面白い。原書なんて読まなくてもいい。たぶん「解説」が一番面白い。訳者(筆者)には怒られるかもしれないけどね。

0 Like!
訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)
  • メディア単行本(ソフトカバー)
  • 作者山形 浩生
  • 出版・メーカーバジリコ
  • 発売日2009-10-17
訳者解説 -新...を詳しく見る
186回GoodされましたGood!

16位 ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼/松尾匡

数ある経済系の新書の中でも、久々のヒットといった感じの本です。
現在では批判の多い「ケインズ」と「ハイエク」ですが、その本質を抜き出して示してくれます。経済について、ネットなどで議論する際には、本書のコンセプトを踏まえておけば意義のある発言ができるのではないでしょうか。
アベノミクスの金融緩和など、具体的な政策についても言及していて、特にベーシックインカムの下りは膝を打ちました。

1 Like!
ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)
  • メディア新書
  • 作者松尾 匡
  • 出版・メーカーPHP研究所
  • 発売日2014-11-15
ケインズの逆襲...を詳しく見る
185回GoodされましたGood!

17位 数学入門/遠山啓

素晴らしい数学入門の名著。扱っている分野は中高の範囲と大学レベルの手前くらいまで。理系じゃなくてもこれくらいは常識として抑えておいてほしい、という著者の意図を感じる。
ちくま新書で出た小島寛之の『数学入門』もなかなか良かったが、岩波の本書のオリジナリティは色褪せない。

3 Like!

「数学入門」のロングセラーです。
数学は、丸裸の思考の形であり、瑣末な時事問題に左右されることはないので、新しい本を出す必要がありません。
例えば、経済や政治や社会に関する本の場合、1959年に出版されたものであれば時間差を加味した上で読む必要があります。しかし本書は、現在においても古びていないどころか、新しささえ感じてしまいます。
教科書や、入試のための予備校のテキストのみで数学に触れてきた人は、本書を読んで、本当の「数学入門」を始めてみては如何でしょうか?

1 Like!
数学入門〈上〉 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者遠山 啓
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1959-11-17
数学入門/遠山啓を詳しく見る
185回GoodされましたGood!

18位 富の未来/A.トフラー 、H.トフラー

「未来学」を流行させ、世界中に衝撃を与えた本。
未来予測をしたがる本は数多くあるが、その中でも本書はよくできている。少なくとも読む価値はあると思わせる。いろいろと疑問を差し挟む余地はあるにしても、やはり先見性はあるし、スケールが大きいので読んでいて楽しい。
文化的差異がそこまで注目されていないのが低評価ポイントだが、まあ「グローバルトレンド」だと思えば違和感はない。

4 Like!

過去の長い歴史を振り返り、未来を予言する圧倒的な大著です。
岡田斗司夫や梅田望夫のような、胡散臭い偽本とは違い、表面的ではなく原理的に物事をとられている気がします。
IT革命は、農業革命、工業革命に続く、人類史上3回目の大革命です。
このような激動の時代に立ち会える喜びを噛み締めつつ、それを自分のワークにどうやって活かしていけるか、というのが本書の読み方になると思われます。

1 Like!
富の未来 上巻
  • メディア単行本
  • 作者A. トフラー,山岡 洋一
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日2006-06-08
富の未来/A....を詳しく見る
184回GoodされましたGood!

19位 利己的な遺伝子/リチャード・ドーキンス

「進化生物学」というジャンルの基礎となる本です。
ダーウィニズムの世界観を、遺伝子というアイデアで補強しています。
厳密に書かれた本ではありますが、要旨を簡単に言ってしまうと、我々のふるまいは大きく遺伝子に規定されているということです。
単純ですが、それゆえに、大きな衝撃を与え続けています。これからは人間の遺伝子も簡単に解析されるようになり、否が応でも「遺伝子」に向き合わざるを得なくなっていきます。
もはや古典と言ってもいい書ですが、読んでみる価値は十分にあります。

1 Like!
利己的な遺伝子 <増補新装版>
  • メディア単行本
  • 作者リチャード・ドーキンス,日高 敏隆,岸 由二,羽田 節子,垂水 雄二
  • 出版・メーカー紀伊國屋書店
  • 発売日2006-05-01
利己的な遺伝子...を詳しく見る
184回GoodされましたGood!

20位 熱学思想の史的展開/山本義隆

「熱」は、われわれが最も身近に感じる物理現象の一つです。「熱とは何か」ということが、古代ギリシャの時代から現代まで様々に議論されてきました。今の私達からすれば、エネルギー保存則は中学生が習う概念であり、熱力学は高校物理で概要を知ります。
それでは、過去の一流の物理学者達は、我々の知識水準からすればナンセンスな熱に対する議論を繰り広げていたのか……そうではないのです。
本書は、熱学思想の「史的展開」を追っていきます。教科書だけでは身につかない、本質的で原理的な物理学の考え方に触れられる本です。

2 Like!
熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)
  • メディア文庫
  • 作者山本 義隆
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日2008-12-10
熱学思想の史的...を詳しく見る
184回GoodされましたGood!

21位 物理学とは何だろうか/朝永振一郎

物理学を誰よりも愛した朝永振一郎(ノーベル物理学賞受賞)が、物理学への愛たっぷりにしたためた不朽の名著です。
物理学とは、公式にあてはめて解答を導き出したり、テクニカルな部分を競うようなつまらない学問では、断じてありません。
本書は、身の回りの現象を解明しようとする天才たちが、どのように対象を観察し、どのような思考を辿り、どのような方法でアプローチし、どのような発想に至ったかを記述します。本当の物理学は、教わるものでも、理解するものでもなく、絶えずアンテナを広げ、解明しようとし、想像することです。
日本人の物理学徒で本書を読んでいない者はもぐりと言えるでしょう。

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物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者朝永 振一郎
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1979-05-21
物理学とは何だ...を詳しく見る
184回GoodされましたGood!

22位 人間的自由の条件

やはり哲学者は凄まじい。「読む」ということに対して、これほど真摯になれるものなのか、と思わせてくれる力量がある。私は専門もまったく違い、哲学とは遠い生活を送ってきたが、竹田青嗣氏の本はちょくちょく読んできて、本書で氏の本当の凄さに触れた気がした。
ヘーゲルという、哲学史上最も難解なものの一つに数えられる思想を、我々にもなんとか理解できるレベルで読み解いてくれる。

2 Like!

まったくもって素晴らしいとしか言いようがない。
在野の日本人の哲学のレベルの向上に、間違いなく寄与しているだろう。
本書を読んでいると、古典を一から読み解き、考えぬくことの大切さがありありとわかる。日本語と使い、日本の文化圏にいる我々にとって、カントもヘーゲルもニーチェもマルクスも、なかなか理解できるものではない。しかし、ヘーゲルの「近代」をまともに理解しないうちは、我々は一歩も先に進めないのだ。
これほど感銘を受けた本は久方ぶりだった。
何かを真剣に考えたいと思うすべての人に本書を勧めたい。

1 Like!
人間的自由の条件
  • メディア単行本
  • 作者竹田 青嗣
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日2004-12-08
人間的自由の条件を詳しく見る
183回GoodされましたGood!

23位 反哲学入門/木田元

『反哲学入門』と題されていますが、非常に良質な哲学の入門書です。古代ギリシャから始まった哲学が、いかにして徹底した「半哲学」を掲げるハイデガーに繋がっていくのかを、一冊の短い本で追うことができます。
わかりやすく、著者の暖かい人柄が伝わってくるようです。ふと「哲学ってなんだろう?」と気になることってありませんか?そういうときに手にとって読んで欲しいです。

2 Like!
反哲学入門 (新潮文庫)
  • メディア文庫
  • 作者木田 元
  • 出版・メーカー新潮社
  • 発売日2010-05-28
反哲学入門/木田元を詳しく見る
183回GoodされましたGood!

24位 ブラック・スワン/ナシーム・ニコラス・タレブ

理論は常に後追いであり、何かが起こった後でしかそれを検証することができない。複雑で精緻な経済力や金融理論も、その理論の外側からやってくるものには為す術がない。
2007年に刊行された本だが、複雑になりすぎた金融工学が大混乱を引き起こしたリーマンショックの影響で、アメリカで大ベストセラーになった。
著者のタレブは教養があり、喩え話が少し長ったらしいと感じることもあるが、非常に知的興奮を味わえる本だ。複雑化と不確実性という、我々がこれから直面するであろう問題を論じているので、読んで絶対に損はしない。
ただ、ある程度の科学的な考え方に馴染んでいる人でないと、上下巻ともに読み通すのは難しいかもしれない。

2 Like!
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
  • メディアハードカバー
  • 作者ナシーム・ニコラス・タレブ,望月 衛
  • 出版・メーカーダイヤモンド社
  • 発売日2009-06-19
ブラック・スワ...を詳しく見る
183回GoodされましたGood!

25位 日本の思想/丸山真男

戦争を知っている本物の知識人が、「日本の思想」という大仰な名前を敢えて掲げた本。
岩波の新書だが、内容は本格的なもので、かつての岩波新書の気位の高さがわかる。今は見る影もない。
「ニッポンの思想」という、佐々木敦とやらの、お仲間を持ち上げるだけの醜悪な本を読んで、レベルの下がりようにびっくりした覚えがある。(まあ、馬鹿だからこそ、恥ずかしげもなく丸山に宛てるといったことをやってしまうのだろうが)
ニューアカやゼロ年代という、子供だましの詐欺師達が書いたものに引っかかっている読者には、血を流して書かれたような丸山真男の本物の「思想」に触れ、しっかり自分の目でものを見、考えられるようになって欲しい。

6 Like!

日本人論のはしりとも言われる本ですが、昨今の愛国ポルノや話題性を狙った雑誌のようなものとは違い、著者は一流です。
もはや古典として、日本人に言及する際には必ず踏まえておくべきものになっています。
というより、今の賢い若者が読めば、丸山真男の頭脳に驚くだけでなく、「そうだったのか!初めて知った!」ということばかりで驚くのではないでしょうか。

2 Like!
日本の思想 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者丸山 真男
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1961-11-20

26位 共同幻想論/吉本隆明

いまや村上春樹に並ぶ世界的な作家の吉本ばななの、父親である吉本隆明。忘れられてしまったかもしれないが、彼は本当にすごい思想家だった。
その中でも、最大の仕事と言われるのが『共同幻想論』だ。これは、なかなか難しい。西洋の著作をあまり踏まえずに、一から自分の言葉で思考を形成しているといった感じすらある。最近、「吉本隆明の可能性をどう引き継ぐか」という対談を高橋源一郎などがやっていたが、そのようなことを思う人達もすでにお年寄りの域に入ってしまっている。
吉本隆明の仕事は、思想史の積み上がりから外れてぽっかり宙に浮いていて、何らかのソースとしても引用できるものでもなく、だからこそ一種の美しさがあると言える。
しかし、もはや完全に忘れられていく種類のものだろう。名著ではあるし、文学性があるが、厳密に議論できるようなものではない。

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戦後最大の思想家とも言われる、吉本隆明の大著。非常に難解な本で、「すごい!」とは思ってもなかなか理解しかねていたのですが、宇田亮一氏の『吉本隆明『共同幻想論』の読み方』という本をガイドに、なんとか読み進むことができました。
西洋的な、原典を元に積み上げられていくような知とは別のあり方の、アジア的な、物語と幻想の知が、本書で示されています。まだ私も十分に読めているとは言えませんが、このような本が日本語で書かれたことに、仄かな幸福と誇りを感じます。

1 Like!
改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)
  • メディア文庫
  • 作者吉本 隆明
  • 出版・メーカーKADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日1982-01-16

27位 日本人の英語/マーク・ピーターセン

日本文学を専攻し、来日して大学教授をしているアメリカ人のマーク・ピーターセン書いた「日本人向けの英語のレクチャー」です。日本語と英語を熟知している彼だからこそ書ける本です。
思考は言語に規定されるので、日本語話者の考え方と英語話者の考え方は違います。そして、英語を使った場合、どのような思考の道筋をたどるのか、ということが書かれています。
読んでみると、目から鱗の連続で、英語を勉強したい日本人にとってこれほどありがたい本は他に存在しないでしょう。同じ著者から出ている『続 日本人の英語』と『実践 日本人の英語』もおすすめです。

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これと同じ内容の講義を全国の高校生にするべきだ。教科書にしていいレベルで、英語を学ぶ日本人にとって必要なことが書かれている。
単語帳をめくってTOEICの点数を上げようとするのもいいが、その前に本書の内容を頭に入れるべき。新書なので、4、5時間ほどあれば読める。

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日本人の英語 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者マーク・ピーターセン
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1988-04-20
日本人の英語/...を詳しく見る
181回GoodされましたGood!

28位 人を動かす/D・カーネギー

いわゆる「自己啓発本」というジャンルが、日本でも非常に人気で、書店などでもひとつのジャンルが儲けられるほどですが、その「自己啓発」という分野を開拓したのがカーネギーです。『人を動かす』だけでなく、『道は開ける』や『話し方入門』もオススメです。
深い人間観察と経験に裏付けられていて、成功者が自分の成功体験を語ったような「自己啓発本もどき」とは月とスッポンの差です。色んな本を読んでみるのもいいですが、このような王道を征く書を一度は手にとって欲しいです。
本書の「目次」は私の人間関係においてのバイブルとなっております。

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人を動かす 文庫版
  • メディア文庫
  • 作者D・カーネギー,山口 博
  • 出版・メーカー創元社
  • 発売日2016-01-26
人を動かす/D...を詳しく見る
180回GoodされましたGood!

29位 昭和天皇/福田和也

「日本とは何か?」という問いを、昭和天皇の評伝として描く、壮大な大著。
何かの対談で読んだのだが、福田和也氏いわく、天皇に焦点を当てると日本という国のあらゆる側面を書くことができるのだそうだ。
氏の博覧強記ぶりには驚かされる。「取材」だけでこれを書くことは不可能だろう。本物の「教養」の持ち主にしかできない仕事だ。

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昭和天皇は、他の国のあらゆる偉大な指導者に勝るとも劣らない人物であることが、本書を読めばわかる。
天皇と天皇に関わった人達を描く大作評伝で、これほどまでに多層な歴史を描き出すのは、並大抵のことではない。そして、このような本は往々にして文章が退屈になりがちだが、著者の文章力が卓越しているために、詩情さえ感じてしまう。
一流の批評家の総決算として読むこともできるかもしれない。

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昭和天皇〈第1部〉日露戦争と乃木希典の死 (文春文庫)
  • メディア文庫
  • 作者福田 和也
  • 出版・メーカー文藝春秋
  • 発売日2011-02-10
昭和天皇/福田和也を詳しく見る
180回GoodされましたGood!

30位 考えるヒント/小林秀雄

小林秀雄は、大学受験のテキストでよく出てくるから、名前を知っている高校生もいると思う。だが、小林秀雄を試験のテキストに選んでしまう国語教師達のレベルの低さは嘆かわしい。
小林秀雄の文章は、じっくりと味わい、よく考えるために書かれている。それを、すぐに正解を求められる試験問題に使うなんて、彼に対する最大の冒涜ではないか!
受験勉強を通り抜けてきた人の中には、「国語」という科目が嫌いになってしまった人もいるかもしれない。だが、一度、試験や学校など何も関係のないところで、じっくりと小林秀雄の文章を読んでみてほしい。本当に考え尽くしてきた人間の知性に、きっとあなたは驚嘆するだろう!

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考えて、考えて、考えつくすためにある文章。
怖ろしいほどの文章力と、底の見えない思考の深さで、私は本当に小林秀雄と同じ人間なのかとさえ疑ってしまう。
「本物」とはこういうことなんだな、と思う。
世の中には、薄っぺらい論考や、焼き直しの物語だけの小説が、マーケティングの手法に乗っかって大衆に届けられるわけだけど、例えば出版関係の人達とか、立派な大人は、こういうものを多くの人に読ませるべきなんだろうな。

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考えるヒント (文春文庫)
  • メディア文庫
  • 作者小林 秀雄
  • 出版・メーカー文藝春秋
  • 発売日2004-08
考えるヒント/...を詳しく見る
180回GoodされましたGood!

31位 じぶん・この不思議な存在/鷲田清一

著者の鷲田清一は、臨床哲学、身体論、ファッション論などを専門にしていて、非常に珍しいことに、専門が哲学であるのに大阪大学の総長になった方です。(歴代の阪大の総長は理系の方ばかりだった。)お洒落なおじさんです。
本書は、偉い哲学者が一般向けにわかりやすく哲学のエッセンスを……というものでもありません。「わたし」とは何なのか、「じぶん」とは何なのか、ということを、やさしく丁寧に、真剣に語っています。
もう20年ほど前の、新書にしては古い本と言えますが、今なおまったく色あせません。良書にはありがちなことですが、インターネットやスマートフォンが普及したからこそ、真価が発揮されそうなところもあります。

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じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)
  • メディア新書
  • 作者鷲田 清一
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日1996-07-19
じぶん・この不...を詳しく見る
180回GoodされましたGood!

32位 トランスクリティーク――カントとマルクス /柄谷行人

カントからマルクスを、マルクスからカントを「横断」する批評(吟味)。
日本が誇る圧倒的な知の巨人の、あまりにも凄すぎる知的遊技である。『探求』や『世界史の構造』、『日本近代文学の起源』も素晴らしいが、英語にも翻訳され世界的に評価された本書を私は推したい。

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あまりに知的だが、知的すぎるが故に、著者本人が思っていたような「実践的」な本にはならなかったという印象だ。
思想を論じることと、実際の活動との隔たりは、他の多くの事例を見てもひしひしと感じる。
しかし、「理論」の持つ可能性を捨てきれない人間がいて、私もそのうちの一人かもしれない。「生産協同組合」という、実際の言葉にしてしまえば頼りないものであれ、そこには理論の息吹が宿っているのだ。

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トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫)
  • メディア文庫
  • 作者柄谷 行人
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日2010-01-16
トランスクリテ...を詳しく見る
179回GoodされましたGood!

33位 ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界/ 阿部謹也

「中世ヨーロッパ」は、多くのRPGやファンタジーゲーム、マンガやアニメの舞台とされています。
本書は、日本で最も「中世ヨーロッパ」の詳しい人の一人であり、さらにそれを大衆にわかりやすく教えてくれる阿部謹也の著作です。
人気ライトノベル『狼と香辛料』の著者である支倉凍砂は、阿部謹也の本に触発されてそれを書き始めたそうです。
『ドイツ中世後期の世界』『西洋中世の罪と罰』『中世の星の下で』などなど、中世ヨーロッパを扱った本はどれもおすすめですが、その中でももっとも有名なものは『ハーメルンの笛吹き男』だと思います。資料を綿密に検証しながら、中世で生まれた「伝説」を追う本です。

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ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
  • メディア文庫
  • 作者阿部 謹也
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日1988-12
ハーメルンの笛...を詳しく見る
178回GoodされましたGood!

34位 保守とは何か/福田恆存

『想像の共同体』のベネディクト・アンダーソンが言っていたが、すぐれた理論のほとんどは左派から生まれ、保守思想はあまり理論的に良いものを生み出さない。当然と言えば当然である。だから、不勉強な恵まれた人間はともかく、若い勉強家は左派思想に傾きやすい。
しかし、福田恆存の文章には惚れ惚れした。本当の「保守思想家」はこのようなものかと思う。もともと不合理な人間の、弱さと美しさを大切にすること。小林秀雄や川端康成や三島由紀夫などの優れた批評家、芸術家が、保守的な性向を持っていたことも納得できる。

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保守とは何か (文春学藝ライブラリー)
  • メディア文庫
  • 作者福田 恆存,浜崎 洋介
  • 出版・メーカー文藝春秋
  • 発売日2013-10-16
保守とは何か/...を詳しく見る
178回GoodされましたGood!

35位 生きて帰ってきた男-ある日本兵の戦争と戦後/小熊英二

一流の社会学者によるライフ・ヒストリーであり、シベリア抑留の経験を持つ自身の父親に聞き取りをしている。
歴史上の有名な人物ではなく、「都市下層の商業者」としての、庶民の人生を詳細に綴っている。
意外だったのは、シベリア抑留は過酷だったが、死亡率は10%くらいであり、最初の数ヶ月を凌げば案外やっていけるものだと言うこと。帰ってきた後も、もちろん色々と大変なのだが、それでもなんとかやっていく。
等身大の人間と、時代の空気を感じさせる、見事な本だった。
現実を誇張することも誤魔化すこともなく、淡々と語るからこそ、歴史に巻き込まれざるをえない一人の人間の人生の、本当の大変さを理解できた気がした。
誠に貴重な仕事であり、新書ではあるものの、時間を経ても読まれ続ける本になるだろう。

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生きて帰ってきた男――ある日本兵の戦争と戦後 (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者小熊 英二
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日2015-06-20
生きて帰ってき...を詳しく見る
177回GoodされましたGood!

36位 宇宙は何でできているのか/村山斉

理系が得意でない私が読んで、「こんな面白い本があっていいのか……!?」という感想を持ちました。
数式を使わず、素人でもわかりやすいように、宇宙の謎を解明しようとする最先端の研究をガイドしてくれています。
万人に薦めたい本です。高校で物理も化学も履修していない私でもストレスなく読めたので、高校生以上の年齢ならほとんどの人が読めると思います。

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超一流の研究者なのに、素人が読んで面白いと思えるくらい親しみやすい文章を書けるのは、驚異的だと思う。
やっぱり頭の良い人は違うね。宇宙(というより未知なるもの)への愛とロマンが詰まった最高に熱い著書なので、すべての中高生に読ませることを義務付けたいレベル。

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宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
  • メディア新書
  • 作者村山 斉
  • 出版・メーカー幻冬舎
  • 発売日2010-09-28
宇宙は何ででき...を詳しく見る
177回GoodされましたGood!

37位 自由とは何か/佐伯啓思

現代に生きる普通の人は、「自由とは何か」なんて問題を考える機会を持たないと思うので、読んでおくといいです。目を洗われますよ。
扱っているテーマも、イラク人質事件の自己責任論や、援助交際や、酒鬼薔薇事件、構造改革など……まあ今からすると10年以上前のことしれませんが、Twitterやブログなんか見ると皆ほとんど何も成長していないので、ぜんぜん古びてないです!
著者は「自由」を必ずしも目的とはしていないんですね。
単なる意見や感想を述べたものではなく、ちゃんと文献を引用して論理的に述べているので、「自由とは何か」という問題を考えたい人はこれを読むといいと思います。

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自由とは何か (講談社現代新書)
  • メディア新書
  • 作者佐伯 啓思
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日2004-11-19
自由とは何か/...を詳しく見る
177回GoodされましたGood!

38位 銃・病原菌・鉄/ジャレド・ダイアモンド

なぜ人類は、今見られるように、五つの大陸で異なる発展を遂げたのか?
我々の世界が今のようになっていることの原因を、地理と環境的要因に置く、人類生態学者ジャレド・ダイアモンドの主著です。
有名なだけに批判も多い本ですが、一つの仮説としてみれば興味深い話が多いと思います。読む価値は間違いなくあります。これだけスケールを広げると、科学的な反証の枠内からは確実に外れてしまうだろうなというのはありますからね。

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長いですが、広範な人間の歴史を眺め渡すことのできるような、スケールの大きな本です。教養を身につけるためにも、人々の生活や歴史について知りたい人は読んでみたらいかがでしょうか?
文化だけではなく科学についての記述も多くて、とてもためになりました。

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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
  • メディア文庫
  • 作者ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
  • 出版・メーカー草思社
  • 発売日2012-02-02
銃・病原菌・鉄...を詳しく見る
176回GoodされましたGood!

39位 日本辺境論/内田樹

Twitterやブログでアレな発言を繰り返し、諸々の政治活動などもあって、色んなヘイトをたくさん貯めている内田樹センセの出世作。
まあ雑な語りが少しでも受け入れられない人は読めないのだろうが、普通に面白いし、やっぱこの人めちゃくちゃ頭いいなーと思わせる。突っ込みどころもなくはないのだが、これを「読む価値が無い」と言えるやつは相当に思い上がってるね。
この頃が内田樹の全盛期な気がする。最近のは過去作の焼き直しばっかりで本当に読む価値が無い。

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読みやすくて面白い、刺激的な日本人論。
広範な知識と、発想力と、語り口の文章力。すべてが兼ね備わっていて、新書のお手本といった感じ。ベストセラーになるべくしてなった本だろう。

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日本辺境論 (新潮新書)
  • メディア新書
  • 作者内田 樹
  • 出版・メーカー新潮社
  • 発売日2009-11
日本辺境論/内田樹を詳しく見る
176回GoodされましたGood!

40位 ぼくたちの洗脳社会/岡田斗司夫

1995年で本書を書いたというのがすごい。内容は、アルビン・トフラーやピーター・ドラッカーや堺屋太一などの一流には劣るかもしれない。しかし、アニメ、マンガなど日本のサブ・カルチャーに詳しい著者独自の視点から論じられた未来予測と言えるだろう。
何よりすごいのは、その予言が的中していることだ。現在は「評価経済社会」と岡田斗司夫自身が命名して本で出ているが、基本的に本書で書かれたのと同じことを今も言い続けている。そして、本当に、そこで予言された世界にだんだん近づきつつある。
岡田斗司夫という男は、悪い噂も多く、女性スキャンダルなどでそれが一部明るみに出たりもしたが、やはり発想力には目を見張るものがあると言わざるをえない。

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ぼくたちの洗脳社会
  • メディア単行本
  • 作者岡田 斗司夫
  • 出版・メーカー朝日新聞社
  • 発売日1995-11
ぼくたちの洗脳...を詳しく見る
176回GoodされましたGood!

41位 構造と力―記号論を超えて/浅田彰

ニュー・アカデミズムという知的ブームを巻き起こした本。
80年代の後半、いわゆる「ニューアカ」というブームが起こり、本来はごく少数の人しか読まないような難解な哲学書がバンバン売れた。そのきっかけが、浅田彰の『構造と力』だった。若干26歳の青年が演出した「知的憧憬」によって、多くの若者たちが難解な本を自ら求めたのだ。
もちろん、現代の若い人たちは、このようなことがあったことすら知らないだろう。しかし、『構造と力』を今から読み返してみるのも、それほど益のない試みではないかもしれない。特に、低俗な芸人が巷に溢れ、知的なものが尽く成り立たなくなり、YouTubeなどで恥ずかしげもなく踊る者達に人気と羨望が集まる今のような時代においては……。
本書を読んで感じるのは、「知的な渇望」である。まるで食べれば食べるほど腹の減る食物のように、本書を読み進めるたびに、自分の知識の無さを自覚し、もっと知的なところへ足を運びたいと思わせられる。そのような魅力のある本なのだ。少しは読んでみたくなったでしょうか?

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構造と力―記号論を超えて
  • メディア単行本
  • 作者浅田 彰
  • 出版・メーカー勁草書房
  • 発売日1983-09-10
構造と力―記号...を詳しく見る
175回GoodされましたGood!

42位 現代世界の十大小説/池澤夏樹

かつてサマセット・モームが『世界の十大小説』として優れた作品を紹介し、紹介された作品は大きな影響力を持つようになりました。
芥川賞作家であり、海外の優れた小説を日本に紹介し続けてきた池澤夏樹の、「現代世界の十代小説」を選ぶ試みが本書になります。
ラインナップに関しては議論がありますが、(と言っても池澤夏樹氏と議論できるほど文学の知識がある方はそうはいないと思われますが、)まず読み物として純粋に面白いです。その小説はどんな情況で、どういう経緯で書かれ、どういった内容なのかが説明された上で、なぜ価値があるのかが論じられます。この一冊を読むだけで、かなり教養が深まると思います。
日本の作家では、石牟礼道子の『苦海浄土』が入っていて、石牟礼道子を選ぶセンスと、読まれるべきものを皆に広めようとする選者としての使命感に脱帽です。

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現代世界の十大小説 (NHK出版新書 450)
  • メディア単行本(ソフトカバー)
  • 作者池澤 夏樹
  • 出版・メーカーNHK出版
  • 発売日2014-12-09
現代世界の十大...を詳しく見る
173回GoodされましたGood!

43位 大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 /苅谷剛彦

日本を代表する教育社会学である苅谷剛彦氏の快著であり、丁寧な研究です。受験競争の平等神話を打ち砕く本として読むこともできます。
一見、ペーパーテストによる受験は、誰にとっても平等なものに見えますが、データを見ると、明らかに経済力と学歴の相関があることが見てとれます。
本書から15年経った現在、ますます受験競争は「お金の問題」になりつつあります。そして、このような実証的なデータがとっくに示されているにも関わらず、ネットなどで拡張される他罰的なイメージは強まっている感さえあります。もっと読み返され、様々な教育問題を論じる際に引用されるべき本です。

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大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)
  • メディアKindle版
  • 作者苅谷剛彦
  • 出版・メーカー中央公論新社
  • 発売日2014-07-11
大衆教育社会の...を詳しく見る
173回GoodされましたGood!

44位 強い力と弱い力/大栗博司

「重力」と「電磁気力」は、そういうものがあるんだなってことはなんとなくわかる! 漫画とかで見た!
でも、宇宙には「4つの力」が働いている。なんだその厨二病的な設定? で、残り2つが、「強い力」と「弱い力」らしくて、もっといいネーミングなかったのかよ……と思いながらも読み進めていたら、もうめちゃくちゃに面白くて、物理学勉強してえええええとすら思ったぞ。
バカでもなんとなく読める、厨二心をくすぐる理系の新書なので、知的好奇心を持て余してる人は読むとよいです。

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強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)
  • メディア新書
  • 作者大栗 博司
  • 出版・メーカー幻冬舎
  • 発売日2013-01-30
強い力と弱い力...を詳しく見る
172回GoodされましたGood!

45位 零の発見―数学の生い立ち/吉田洋一

数学を題材とした歴史書で、数学が苦手な私が読んでも面白かったです。
エジプト、ギリシャ、ローマなどの国で、どのように数学が発展していったのかを追います。そして、なぜインドで零が発見されることになったのか。それはどのくらい独創的なものだったのか。
数学の教科書も数学といった概念もない時代、人がどのようにして「数」を認識し、発展させていったのかを考察する、思考の根本に立ち返るような本です。

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零の発見―数学の生い立ち (岩波新書)
  • メディア新書
  • 作者吉田 洋一
  • 出版・メーカー岩波書店
  • 発売日1986-11
零の発見―数学...を詳しく見る
171回GoodされましたGood!

46位 17歳のための世界と日本の見方/松岡正剛

アマゾンの高評価レビューにも書かれていたけど、「17歳のための」と銘打つ必要はないと思う。なぜある程度の歳がいった著者って、やたらと中高生向きというタイトルをつけたがるのだろう。出版社の意向?
それはさておき、めちゃくちゃに良い本です!
松岡正剛は、「千夜千冊」という日本最大の書評サイト(しかも一人で全部書いてる!)で知られる博覧強記を体現したような人なのだけど、彼が、その知識を自在に使って、「日本」ということ、そしてそれと対比した「世界」を書いています。
内容は要約できないくらい、縦横無尽に色んなことが書かれているのだけど、とにかくすげえです。17歳どころか、30代で読んで感銘を受けました。オススメです。

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17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義
  • メディア単行本(ソフトカバー)
  • 作者松岡 正剛
  • 出版・メーカー春秋社
  • 発売日2006-12-25
17歳のための...を詳しく見る
170回GoodされましたGood!

47位 世界がわかる宗教社会学入門/橋爪大三郎

日本では、あまり強烈に宗教を意識する機会がありません。また、新興宗教のイメージの悪さから、宗教アレルギーみたいなものを持っている人も多いです。それは良い部分も悪い部分もありますが、宗教について学ばなければ、外国の文化をちゃんと理解するのは難しくなります。
本書は、すごくわかりやすく、楽しく宗教を教えてくれて、また宗教的に厳しくない日本という国だからこそ、相対的な視点で学ぶことができるメリットがあるなとも思いました。
社会学的に冷静に宗教を分析していて、これから色んな宗教や文化を学んでいくための道標になる書籍だと感じました。

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世界がわかる宗教社会学入門 (ちくま文庫)
  • メディア文庫
  • 作者橋爪 大三郎
  • 出版・メーカー筑摩書房
  • 発売日2006-05
世界がわかる宗...を詳しく見る
170回GoodされましたGood!

48位 2020年 世界経済の勝者と敗者/ポール・クルーグマン、浜田宏一

ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマンと、イェール大学名誉教授で安倍政権のブレーンである浜田宏一という、リフレ派二大巨塔の豪華対談です。
アメリカ、日本、EU、中国はこれからどうなっていくかを予想します。
賛同する人も、そうでない人もいると思いますが、経済的なホットトピックスを自分の責任を持って語っているのは敬意を覚えます。
同じリフレ派の仲間同士ですが、ちゃんとした対談になっていて、意見が違うところも出てくるのは面白いです。

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2020年 世界経済の勝者と敗者
  • メディア単行本(ソフトカバー)
  • 作者ポール・クルーグマン
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日2016-01-26
2020年 世...を詳しく見る
169回GoodされましたGood!

49位 生物と無生物のあいだ/福岡伸一

研究者としての知識と、詩的な言葉も使いこなせる文章力で、分子生物学とその研究者たちの世界を垣間見せてくれる本。
分子生物学学者が、どのような対象を扱って、どのような研究をしているのかを、興味深く紹介してくれる新書で、単純に読み物として面白い。
そして、私もそうなのだが、生物系の領域に親しくない者にとっては、非常に興味深い知識やネタのオンパレードだった。理系の知識がなくても誰でも読めるので、万人に薦めたい一冊だ。

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タイトルで盛ってるところはたしかにある。『生物と無生物のあいだ』について書かれてるかというと、そうでもないかもしれない。
ただ、これはアマゾンレビューで高評価を得た人が書いてたことでもあるけど、本書に対して専門的に書かれてないって批判はまったく当てはまらない。だいたい、新書に対して考察が浅いとかいう自称専門の方々って、間違いなく底辺研究者か、研究者にもなれなかったやつらだと思う。まっとうに研究者やってるなら厳密な話と一般受けが両立しないことくらい誰でもわかるはず。
ちなみに、めちゃくちゃいい本なのでオススメですよ。1000円札になってる野口英世がクズってこととか、2重らせん構造を発見したロザリンド・フランクリンの業績がもみ消されたこととか、みんなに知ってほしいと思うし。

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
  • メディア新書
  • 作者福岡 伸一
  • 出版・メーカー講談社
  • 発売日2007-05-18
生物と無生物の...を詳しく見る
168回GoodされましたGood!

50位 私たちはどこから来て、どこへ行くのか/宮台真司

「これから日本はどうすればいいのか?」
その答えを、社会学者で思想家の宮台真司が全力で書いた本。35年にわたる彼の活動の集大成のようなもので、宮台真司という男の価値がこれで定まる。全体的な感想として、やはりパフォーマンスの人なんだな、と思った。古市憲寿のような輩とさして変わらないのかもしれない。
思想というよりはナルシズムだが、良くも悪くも人を惹きつけるというのはすごいことなので、まあ彼のファン、彼の読者がこれから何をするか……という話になってくるだろう。ナンパで社会が良くなるなら話は簡単でいいんだけどね。

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私たちはどこから来て、どこへ行くのか
  • メディア単行本
  • 作者宮台 真司
  • 出版・メーカー幻冬舎
  • 発売日2014-02-20
私たちはどこか...を詳しく見る
163回GoodされましたGood!

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