2016年10月07日

クライマックスシリーズのキーマン、2冠王に輝いた筒香嘉智の魅力を紹介

44本塁打に110打点。横浜では史上初の本塁打王に加えて、打点王も獲得し2冠王に輝いた、横浜のキャプテン、筒香嘉智。来年に控えたWBCでは日本の4番候補として、球界で最も注目されている選手の一人です。
そんな筒香の魅力を様々な角度から紹介していきます。

伝説が生まれた日


(CC By Wikipedia Commons)

2009年11月4日。全米屈指の名門チームであるニューヨークヤンキースが9年ぶり27度目のワールドチャンピオンに輝いた試合は全米で中継され、2200万人以上が視聴する一大イベントとなっていました。

そんな世界最大の祭典でMVPに輝き、トロフィーを掲げていたのが、あの松井秀喜です。
松井秀喜はニューヨークでも今なお語り継がれる活躍を果たし、2013年には師である長嶋茂雄とともに国民栄誉賞に選ばれました。

90年代から00年代を代表するスラッガーはもちろん松井秀喜です。
しかしそれ以降、松井に比肩するスラッガーはついに現れず、プロ野球の本塁打タイトルも外国人選手が占めることがいつもの光景となっていました。

あまりにも偉大なスラッガーである松井秀喜に匹敵するスラッガーはもう現れないのではないか。そんな声も多く耳にしてしてきましたが、ようやく松井秀喜に勝るとも劣らないスラッガーが横浜から現れました。

それが筒香嘉智です。

 順風満帆ではなかったプロ野球人生

(CC By Wikipedia Commons)

 筒香嘉智は横浜高校では1年時から4番に座り、2年生の夏には満塁本塁打を含む2打席連続のホームランを打つなど、早くからプロから注目される存在でした。

高校通算本塁打は55本を数え、2009年に横浜ベイスターズから単独1位指名を受け、かの松井秀喜と同じ55の背番号を背負うことになります。

しかしプロの世界はそう甘くありません。
1年目から2軍で本塁打王に輝くなど才能の片鱗を見せつけますが、1軍では結果が出ない日々が続きます。

プロ入り4年目のシーズンには23試合に出場しながら、打率.216、本塁打1、打点はわずか3という惨憺たる結果でした。
学生時代は次代の四番として期待されながら、一軍で全く結果が出せないままクビになる選手も少なくありません。もしかしたら筒香もそういった選手になっていても全くおかしくない状況だったのです。

キャリアワーストとなった4年目が終了し、5年目を迎えた2014年にようやく飛躍の時を迎えます。

飛躍、そしてチームキャプテンへ

これまで筒香は三塁の守備についていましたが、2014年には中畑監督の意向によりレフトへコンバートされます。三塁にはオリックスから移籍してきたバリディリスが入ることになったためです。
この時は筒香は他の選手にポジションを押しのけられる立場の選手でした。

しかしこの年からついにブレイクを果たします。

オープン戦から好調をキープし、開幕スタメンを勝ち取ると、6月にはそれまで4番に座っていた中村紀洋がフロントと確執が生じたことで、4番を任されることも見られるようになりました。

8月に外野の守備中に梶谷を接触し、地面に頭から落下したことで救急搬送されるアクシデントがあったものの、翌月には復帰し、4番のブランコを押しのけて、4番として定着すると、シーズンを3割22本、77打点という成績で終え、横浜の新しい4番打者として多くの期待を集める存在になりました。

翌年には23歳にして新キャプテンに就任されると、中畑監督からは「筒香とともに心中しても良い」というほどの全幅の信頼を寄せられ、まさに横浜は筒香を中心としたチームになったのです。

その年も前年から成績をあげ、打率.317、24本、93打点と三部門全てでキャリアハイを達成するなど、前年の活躍が偶然ではないことを証明しました。

2016年、二冠王に輝く

そして今年2016年、筒香は新井貴浩、山田哲人、バレンティンと言った強打者を抑え、本塁打王および打点王に輝き、二冠王となっています。
今年の筒香の勢いは過去の名だたるスラッガーでも類を見ないほどのものでした。

7月の月間本塁打は16を数え、これは日本人最多タイ記録。さらに同月に3試合連続のマルチ本塁打を打っており、これはプロ野球史上初の快挙でした。

シーズンに渡って本塁打を打ちまくり、気づけば本塁打は44本を数えます。高卒7年目での40本塁打は松井秀喜以来の最速ペースで、さらに松井秀喜は7年目にしてキャリア2番目となる42本塁打を打っていますが、筒香の44本塁打は松井を超える記録となっています。

名実ともに日本を代表するスラッガーに成長した筒香の強さとは一体何なのでしょうか?

データで見ると、筒香は大柄でありながらインコースを苦にせず、広角に本塁打を打てるという特徴があります。

巨体をスムーズに回転させることで窮屈さを感じさせず、内角を自然に捌くことで、本塁打につなげているのでしょう。
また昨年までは極端なプルヒッターで、逆方向への本塁打が0だったのが、今年は逆方向の本塁打が12本になるなど、完成度の高いスラッガーへと成長しているのがわかります。

しかし個人的には筒香の最大の武器は野球への取り組み方にあるのではないかと考えています。

オフを返上して練習に取り組む熱心さ

通常プロ野球選手は長いシーズンの疲労から心身ともにリフレッシュするために、オフの間は休養に専念することが一般的です。
シーズンの疲労は一般に思われるよりもずっと大きく、柳田悠岐は「過労死する」とまで表現するほど過酷なものです。

そんな中、筒香はオフシーズンもキャンプさながら激しい練習を積むことで知られています。例年はアメリカで肉体改造や新しい技術に触れることでレベルアップを図っていましたが、昨年はドミニカの野球リーグに参加する異例のオフシーズンとなりました。

日本以外の国では冬場もウィンターリーグと呼ばれるリーグ戦が行われることが多く、日本のプロ野球選手も一軍で試合機会を得られなかった選手が、試合機会を得てよりレベルアップを果たすために、ウィンターリーグに参加することは良く見られます。

しかし筒香のようにチームの中心選手がウィンターリーグに参加するというのはこれまで例のないことで、それほどまでに筒香が熱心に野球に取り組んでいるということの現れでもあります。

さらにその年にはプレミア12というWBCに次ぐ大きな国際大会を4番を含むクリーンナップでフルに参加しており、その年は全くと言っていいほど休み無しで野球に取り組んでいたことになります。
これはいかにストイックなプロ野球選手の中でも、驚異的なまでのストイックさです。

上で紹介した動画に出て来る場面として、現地の子供達と無邪気に野球を楽しむ姿がとても印象的です。
プロ野球という厳しい世界にあっても、本当に飽くなき野球への向上心が見て取られ、それが毎年キャリアハイの成績を生み出す原動力になっているのではないかと感じられます。

DeNAをクライマックスシリーズ制覇に導けるか

横浜は少し前まで長い暗黒時代にありました。
勝率は3割そこそこで最下位は当然、選手の向上心もあまり見られないという非常に悪いムードが立ち込める球団でした。

しかし今では筒香を筆頭に、梶谷、石田、倉本、今永、桑原といった新しい世代の選手が次々と台頭し、ついには球団史上初のクライマックスシリーズ進出を決めています。

今季リーグ優勝したカープがかつてそうだったように、セ・リーグの台風の目として波乱を起こす雰囲気を醸し出しています。

若い選手がさらに成長することでリーグ優勝することも夢ではありませんが、明日から開催されるクライマックスシリーズを制覇すれば、今年にでも日本シリーズに進出するチャンスが訪れています。

例えリードされていても筒香に打席が回れば何かが起きるかも…という期待が今の横浜にはあります。
今や球界を代表するスラッガーとなった筒香嘉智のクライマックスシリーズから目が離せません。

2016年シーズンのセ・リーグで活躍したプロ野球選手をランキング形式で紹介
2016年シーズンのセ・リーグで活躍したプロ野球選手をランキング形式で紹介
この記事は、運営チームとユーザーの投票によって「おすすめ」された、2016年シーズンに活躍したセ・リーグの球団に所属する選手を、ランキング形式で紹介しています。 プロ野球の記事は以下のようなものもありますので、是非読んでみてください。 【パ・リーグ】活躍した選手 / 打率 / 本塁打 / 投手勝利数 【セ・リーグ】活躍した選手 / 打率 / 本塁打 / 投手勝利数 いよいよ大詰めのプロ野球のペナントシリーズを振り返りつつ、読んでいただければ幸いです。

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