2016年10月08日

Twitterはなぜ時代から取り残されてしまったのか

悲観的な話題ばかりが目立つTwitterですが、なぜそのような声が起こっているのでしょうか。
最近のスマホアプリトレンドを踏まえて上で考察してみました。

もしかしたら今週はTwitterにとって忘れられない一週間になったかもしれません。
かつてFacebookと並ぶSNSとして時代をリードしていたTwitterが今や話題になることと言えば、どこに身売りするかのという話ばかり。
 
決算の度に聞かれるのはため息の声。ユーザーは既に頭打ちとなり、本格的に収益化を初めたものの、2013年に上場してからと言うもの黒字決算を一度も迎えたことがありません。
上場時には300億ドル(約3兆円)あった時価総額も、右肩下がりになり、一時は100億ドルにまで下がり、昨今の身売り騒動によって皮肉にも時価総額は上昇に転じたものの、暗礁に乗り上げるやいなや再び下降して行きました。
 
市場関係者にとってTwitterがサービスを伸ばすことは期待しておらず、もはやどれだけの金額で大企業に買収されるかを待つだけになっているのかもしれません。
 
Twitterから4年遅れて登場したInstagramには既にアクティブユーザー数が倍近く離され、時代の寵児となっているSnapchatにはデイリーアクティブユーザー数が瞬く間に越されてしまいました。
かつて新しいSNSとして同時期に注目を浴びていたFacebookとは比較にならないほどの差を着けられています。
 
ではなぜこれほどまでにTwitterは時代に取り残されてしまったのでしょうか。
それについて「スマホ時代のコミュニケーション」および「パブリックかプライベートか」という二点から考察していきたいと思います。

スマホ時代のコミュニケーション

 
Twitterが誕生したのは今から10年前の2006年3月21日です。iPhoneの初代が販売されたのは2007年で、世界的にスマートフォンが普及したのは2010年~2011年ごろでしょうか。
 
つまりTwitterは開設からしばらくの間、PCブラウザ向けに提供されていたサービスが主軸となっていたことになります。対してInstagramは2010年、Snapchatは2011年にリリースされており、どちらもスマホアプリにフォーカスして展開されていたことが異なります。
 
Twitterの特徴はなんといっても140文字以内という制約のある「短文投稿」です。当時はブログが全盛の時代で、個人が持ちうるメディアとしては事実上ブログしか存在しないという状況にありました。
しかしブログはTwitterのように気軽に投稿できるメディアではなく、それこそ1日に複数件更新するというユーザーは稀で、また流入の導線がないブログは全くアクセスがないということもザラに見られました。
それに対して個人が気軽に自分の思いを投稿でき、またフォロー・フォロワーという独自のユーザー間のつながりによって、特別な導線がなくても自分の投稿が直接フォロワーに届くという経路を確保することができました。
 
それによりこれまでブログを開設してこなかった人、あるいはブログを持っていたれど満足できなかった人々はこぞってTwitterを始め、また有名人も自身の影響力をWeb上に発信するための最適なツールとして瞬く間に時代の中心となるメディアに成長しました。
しかしこれはスマートフォンが流行し、Instagramのような新しいメディアが受け入れられる前の話です。
 
Instagramは全く別の切り口からSNSに新しい体験をもたらしました。
 
スマートフォンにはほとんどすべての端末にカメラが付いており、またGPS情報からユーザーが特に操作をしなくても位置情報を取得することができます。また携帯回線を使うことで、出先にいてもいつでもインターネットができる環境が整い始めました。
 
これらのスマートフォンを取り巻く状況変化に対応し、これまで支配的だったテキストをほとんど捨て去り、カメラで写真を撮影し、それを好きなように加工し、さらに自動で取得した位置情報を添えて投稿するという、いかにもスマホの特性を活かしたSNSとして誕生しました。
 
テキストはあくまで画像を説明する「キャプション」という位置づけで、事実テキストが一切含まれていない投稿が多く見られています。
またそれに対するコメントも既存のSNSと比べると非常に簡素で、本当に一言感じたことのみをコメントするという文化ができあがりました。
 
人によってはスマホでも非常に高速に入力できる人もいますが、基本的にはPCのキーボードよりも高速に文字を入力することが難しい反面、カメラやGPSが一体となった機能を全面に活かしたInstagramはスマホ時代に生まれた全く新しいSNSで、PC時代に生まれたTwitterとは対象となるユーザーやデバイスの面で決定的に異なるのです。
 
またこれは現在アメリカで爆発的な人気を獲得しているSnapchatにも同じことがいえます。
Snapchatは一度投稿したメッセージは一度読まれると消滅してしまうことが特徴的なコンセプトの通話・写真共有SNSです。
 
Snapchatはアプリを起動するといきなり動画モードでカメラが立ち上がります。カメラは特に撮影しなくても、様々な加工フィルターをリアルタイムにかけることができ、加工されたままの画像や動画をそのまま友達に投稿することがメインの機能になっています。
 
もちろんテキストを送り合うことも出来ますが、メインのスクリーンがカメラになっていることが象徴的なように、動画が主たる媒体となっており、さらに言えば友達とリアルタイムにやり取りする分にはわざわざ「投稿」というアクションを挟まなくとも、加工フィルターの映像をそのまま通話状態で流しておくこともできます。
 
Instagramのようなキャプション機能すらない、ドラスティックにスマホ機能に特化した新しいSNSです。
 
そして現在、Twitterはユーザー数が頭打ちになっている一方で、InstagramとSnapchatは早いペースでユーザー数を伸ばしています。
例えばTwitterのMAU(一ヶ月にどれだけのユーザーが利用しているか)は3億人ですが、Instagramは5億人を突破しています。さらにInstagramは2年間で倍増させており、今なお成長を遂げているメディアです。
 
Snapchatは現在アメリカでFacebookに次いで利用されているアプリで、Instagramと比べると海外展開は遅れていますが、それでもDAU(一日にどれだけのユーザーが利用しているか)ではTwitterを上回る1億5000万人となっており、Instagram以上の急激なペースでユーザー数を増やしています。
 
このようにユーザーの利用実態を見ると確実にTwitterからInstagramやSnapchatのようにスマホという端末特性を活かしたSNSサービスにシフトしています。
もはやティーネイジャーにとって情報の受け取り方は「テキストを読む」のではなく「画像や動画を見ることで、その背後にある情報を感じ取る」というように変わっているのです。
 
Twitterは近年動画などのリッチメディアへの対応を急いでいますが、それでもやはり短文投稿というコンセプトは依然として残っており、テキスト投稿が支配的です。
既存の成熟したメディアを変えていくよりも、新しいメディアが誕生する方がスピードがあり、新しい時代に対応できるというのがこのスマホ時代の移り変わりに象徴されています。

パブリックからプライベートなコミュニケーションへ

 
皆さんの中でTwitterアカウントをもっている場合、フォロー・フォロワーに実際に知り合いでない人が含まれているということがほとんだと思います。
もともとインターネットは物理的に離れた距離の人々と即座にやり取りできるという強みがあり、また匿名でいることで現実では出来ないようなコミュニケーションが発生することが強みだと信じられていました。
 
Twitterもその文脈の下に誕生し、オフラインで友達関係にない人々に対して気軽にフォロー・フォロワー関係となり、自分が気に入った投稿はリツイートすることで、その人の交流圏から離れて拡散することを可能にしました。
 
しかし先程挙げたようなInstagramやSnapchat、さらにはFacebookはどうでしょうか。
Instagramこそフォロー・フォロワー関係がありますが、SnapchatとFacebookはオフラインの友達関係にある者同士が友達申請を送り、それを許可することで初めてコミュニケーションが取れるようになります。
Instagramは有名人アカウントなどは広く世間に発信しているものの、多くの一般アカウントは基本的に友達関係にある者同士でつながりをもっており、見ず知らず人と相互フォロワーになることはあまり見られません。
 
つまり昨今使用されているSNSの多くは、自分のオフラインでの交流圏のみに閉じられたプライベートなコミュニケーションを提供しているもので、それは過去のインターネットの文脈とは全く異なるものです。
 
そこにはスマートフォンという新しいデバイスの普及が大きく影響しています。
スマートフォンは2010年~2011年ごろから普及が始まったインターネットデバイスですが、これまでPCを積極的に利用してこなかったライトなユーザーが初めてインターネットに触れる端末となっている背景があります。
 
つまりこれまでの「パブリックが良い」とされてきた価値観を全く共有していない人々が短期間で大量になだれこみ、その人たちがパブリックよりもプライベートなコミュニケーションを好んでいたために、現在のインターネットはプライベートなコミュニケーションが多数を占めるようになったということです。
 
一時期Twitterに投稿された悪ふざけの投稿がしばしば炎上し、「バカッター」と呼ばれることが流行語のように広まりましたが、それは既存のインターネットユーザーの価値観を新しいユーザーが共有しておらず、"これはご法度だ"という感覚を持ち合わせていなかったために発生していたのだと思われます。
 
また、当時はインターネットに実名はそぐわないという意見が多数を締められていましたが、現在ではFacebookでなくとも、Insragramなどの実名が強制されないサービスにおいても実名を使用しているケースは全く珍しいものではなくなっています。
過去の価値観は気づけば少数派となり、スマホ移行の文脈を持ったユーザーによって新しいインターネットの価値観が形成されつつあるのです。
 
そんな現状において残念ながらTwitterのコミュニケーションの形は時代にそぐわないものとなり、新しいユーザーを取り込めていないことが頭打ちになっている原因なのではないかと考えています。

Twitterはこの先どのように価値を生み出していくのか

 
Twitterはこれまで収益性が低いながらも、将来の成長によって大きなマーケットを確保し、それを原資に収益を生み出していくというスタンスを取っていましたが、現在ユーザー数自体が頭打ちになったことで、残るは単なる収益性の悪さということになってしまい、投資家からは冷ややかな目で見られています。
 
しかしTwitterを買収したいと考えている企業は多く、代表的なのがディズニー、Alphabet(Googleの親会社)、セールスフォースの3社です。この3社は最近実際にTwitterと買収交渉をしていたことが明らかになっており、近いうちにいずれかの会社に買収されるのではと見られていました。
 
実際にはディズニーとAlphabetが手を引いたことで、セールスフォースのみが買い手候補になりましたが、Twitterは魅力的な買収先であるのは確かです。
 
その要因としては、時代遅れになってしまった要因でもあるテキストデータを世界最大規模で持っており、それが現在もアクティブで稼働していることから、AIの研究としては最高の材料と見られているためです。
 
現在スマホ市場は既に成熟期に入り、次の時代の成長産業はAIだと見られています。具体的には既存のビジネスをAIによって効率化したり、自動運転などの新しい産業を生み出すことが期待されています。
しかしAIを開発するには一般企業では到底手に入らないような膨大なインプットデータが必要で、それを潤沢に利用できるTwitterの資産はAI開発に熱心な企業にとて魅力的に映るのです。
 
今後Twitterは独立して高い収益を確保するのは難しいとされており、買収されることで独立するよりも高い価値を発揮できるのではないのかという見方によって、身売り話が上がる度に株価が上昇し、それが頓挫すると株価が下落するという皮肉な動きを見せています。
 
確実に身売りは現実味を帯びた話になってきており、数年以内に大手IT企業に買収される可能性が高いのではないかと考えています。
もちろん買収されたからと言ってサービスが異様に変わるということはないでしょう。例えばInstagramは早い段階でFacebookに買収されていますが、ほとんど独立的にサービスを運用しているように、傍からは何の影響もなく運用されていく可能性が高いからです。
 
Twitterというサービス自体は既存ユーザーを喜ばせるものでしかない、という見られ方はTwitterのファンとしては悲しくもありますが、それが時代の流れなのだと受け止めるしかないのかもしれません。
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