現代文学の最先端を行く作家、円城塔。あまりにも前衛的・難解な作風によって、一般的に受け入れられているとは言い難いが、個人的には現代で最も優れた作家の一人と言ってまず間違いないと思う。あまりに技術が高いために、弩級にすごい作品を描いているのに、それが具体的にどうすごいのかが読み手に伝わらない。
そこでこの場では、円城塔の代表作かつ芥川賞受賞作でもある「道化師の蝶」を題にとって、解題と所感を記すことにする。少しでも多くの人々に彼の魅力が伝われば幸いである。なお、解題を含むので、最低限一読した方に読まれたい。
2016年10月26日