2016年11月06日更新

2016年のメジャーリーグで活躍した日本人選手ランキング

2016年シーズンの日本人メジャーリーガーの活躍を振り返る記事です。
イチローは日本のみならず全米で3000本安打ツアーと称した報道が連日行われ、ルーキーイヤーの前田健太の活躍や、ダルビッシュ有のトミージョン手術からの復帰など今年も見所満載の一年間でした。

そんな日本人選手たちの活躍を振り返り、来シーズンのメジャーリーグを楽しむキッカケとしていただければ幸いです。

1位 田中将大

前人未到のシーズン24勝0敗を記録した、絶対的エース

  • 2013年には24勝0敗という世界記録で楽天の日本一に多大な貢献をした
  • メジャーでも3年連続二桁勝利で、防御率のタイトルも手中におさめかけた
  • 伝家の宝刀スプリットに加えて、インコースをえぐるツーシームも習得した
田中将大

楽天時代やメジャー初年度の前半戦と違い、どこか危なっかしい投球ながらも14勝4敗と抜群の勝率を収めており、メジャーからも再評価されてきている。
今年は強烈な曲がり方を見せたツーシームが話題になったように、左打者の背中側から来るツーシームを新しい武器としてメジャーへの適用を高めてきている。

シーズン終盤まで最優秀防御率のタイトルを獲得しそうだったが、最終戦で抜かれてしまい初のタイトル獲得はならなかった。楽天最終年のような安定感がメジャーでもあれば、さらに次元の違う活躍ができると思うので、来年もさらなる飛躍を期待している。

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メジャー初年度の肘の怪我は未でもアメリカのメディアから時限爆弾を抱えていると言われており、ペドロ・マルティネスですら不安要因にあげるなど、その活躍からすると意外なほどアメリカではネガティブな報道が多い。
もしかしたら誤魔化し誤魔化しなのかもしれないが、それでもヤンキースでは最も良い成績を収めているし、そういった声を吹き飛ばす活躍を果たせたとは思います。

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2位 前田健太

メジャー1年目から結果を出した、元広島のエース

  • 日本球界では2度の沢村賞受賞をはじめ、数々のタイトルを手にしてきた
  • ドジャースでは日本人投手のルーキーイヤーとしては最多タイの16勝をあげた
  • メジャーでは基本給が300万ドルながら、高い出来高が設定された変則的な契約が話題に
前田健太

メジャー1年目から16勝はダルビッシュ有と並んでの日本人ルーキーイヤーでは最多タイ記録。
メジャーでの評価はダルビッシュや田中よりは落ちると見られていただけに、十分すぎる結果でしょう。

一方で日本時代は一貫して安定した投球ができていたのに、メジャーでは簡単に本塁打を何本も打たれるなど、メジャーの怖さがよく分かるシーズンでもありました。
投手に2打席連続ホームランを許すなんて日本では絶対にありえないけど、アメリカ人のパワーは洒落にならんね。

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シーズンでは良かったけどポストシーズンでは完全にKOされてしまった。ダルビッシュもそうだけど日本人はどうもポストシーズンに弱い気がする。
来年こそは10月まで余力を残して、地区優勝に貢献して欲しい。

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3位 岩隈久志

抜群のコントロールを持つ「コントロール・アーティスト」

  • NPBでは最多勝、最優秀防御率、沢村賞など主要タイトルを獲得してきた
  • メジャーでも3度の2ケタ勝利を達成し、2016年には自己最多の16勝をあげた
  • メジャー屈指の制球力を持っていることから「コントロール・アーティスト」と呼ばれる
岩隈久志

日本人投手としては前田健太と並んで16勝をあげて、トップタイの成績を収めている。
開幕からローテションを守り続け、契約更新の条件となっていた162イニングをクリアし、来シーズンは1400万ドルの契約が確定した。

実は防御率は4.12とチーム防御率を下回っているのだが(先発としてはもつろん悪くはない数字)、妙に勝ちが増えている印象もある。
ダルビッシュ、田中、前田らにどうしても注目が集まっているが、メジャーで大きな怪我をすることなく、しかもイニングごとの球数はリーグトップになるなど省エネ投法も得意としており、彼らに全くヒケを取らない活躍をしている。

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4位 イチロー

伝説を残し続ける世界最高のヒットメーカー

  • 日本球界では高卒3年目にしてシーズン最多安打の210本を記録し、この年からNPBに最多安打のタイトルが新設された
  • メジャー1年目にMVP獲得、4年目に262安打でシーズン最多安打を樹立し、全米にその名を轟かせた
  • 日米通算安打では世界一、メジャー通算3000安打を達成し、現役選手では最多記録
  • 第一回、第二回WBC優勝に貢献し、第二回では韓国から決勝タイムリーを放った
イチロー

42才、メジャー最年長ながらその走力と守備は衰えることを知らず、むしろ走力に関しては昨年よりも早くなっているというデータすらある。不安要素だった打撃の衰えもどこ吹く風で、途中まで3割5分近い打率をキープし、最終的には.289と前年よりも6分も打率を上げてきている。

その活躍が異次元であることは言うまでもないが、衰えの遅さもこれまでの常識を覆すものだった。
本人は50歳まで現役を続けるといっているが、もしかしたら本当に可能なのではないかとすら感じるほど。

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ついに節目であるメジャー通算3000本安打を達成した。これまでWBCで優勝したときも、メジャーシーズン最多安打記録を樹立した時も決して涙を見せなかったイチローが、長年の呪縛から解き放たれたかのようにサングラス越しに涙を流したのはあまりにも印象的だった。

もしかしたら3000本安打を達成する前に解雇されてしまうのではないか、達成したら引退をやめてしまうのではないか、とすら思っていたが、本人はまだまだ現役を続けるつもりだ。
イチローに過去の歴史は意味がなく、イチローのあとに歴史が作られる。稀代の天才バッターがもうしばらく見れそうだ。

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5位 上原浩治

魔球スプリットでメジャーを手玉に取るクローザー

  • 日本球界では1年目から20勝をあげるなど、幾度となく主要タイトルを獲得した
  • 2013年のワールドシリーズ制覇に貢献し、オバマ大統領からも名指しで賞賛された
  • 2016年シーズンはスランプや怪我に悩まされるも終盤には完全復活を遂げた
上原浩治

メジャーでは数える程度しかいない40代の投手として未だ一線で活躍しているすごい男。
2013年はメジャーでも最高のクローザーとして難攻不落だったが、徐々に年齢による衰えからか打たれ始めたのが気になる。

今年は完全にピークを過ぎてしまったのかと思うくらいに打たれる時期もあったが、怪我からの復帰後はまるで全盛期かのようなピッチングでシーズンを締めくくった。
いつまでやれるかは分からないが、来年くらいはまだ活躍してくれそうだ。

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今年はあのキンブレルが入団したことで中継ぎに回ったが、キンブレルが離脱後はクローザーを務めるなど一定の役割を果たした。
それにしても、もはや生まれながらのメジャーリーガーの貫禄があり、巨人時代の面影はまるでない。本人もメジャーで首になったら日本に戻るつもりはないというし、オルティズとの仲を見るとラテン系にすら見えてくる。

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6位 青木宣親

メジャーでも評価される2000年代最高のアベレージヒッター

  • プロ入り2年目でイチローに次ぐシーズン200安打を達成し、首位打者を3度獲得した
  • 守備・走塁も高いレベルで、1度の盗塁王、6度のゴールデングラブ賞を受賞
  • メジャーでも常に3割近い打率をキープし、コンスタントに試合に出場してる
青木宣親

メジャーでは全てのシーズンで2割8分台と物凄い安定感で結果を出し続けている。
今年は2割0分台に落ちるなどいつになくスランプで、マイナー落ちも経験してしまった。
しかしそこから持ち直していつもどおりの成績に戻している。

日本球界では右に出るものがいないほどのアベレージヒッターだったが、メジャーでは毎年フォーム改造をするなど、相当適用に向けて努力しているらしい。
イチローもそうだが、結果を出している選手ほど一流選手であっても変わり続けることが必要なんだと思い知らされる。

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昨年は死球ソムリエといわれるくらいデッドボールをもらって離脱してしまったが、今年はスランプで離脱してしまった。それでもちゃんと率を残してくる当たり、並の選手ではないなと言う気がします。

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7位 ダルビッシュ有

トミージョン手術から再起し、最速159キロをマーク

  • 日ハム時代は5年連続防御率1点台など、日本球界最高の投手として活躍
  • MLBのレンジャーズでも開幕投手を務め、2013年には奪三振王を獲得した
  • 2015年のスプリングトレーニングで肘を故障し、トミージョン手術を行なった
ダルビッシュ有

日ハム時代はまさに難攻不落で、他の球団も何とかしてダルビッシュを負けせようとしていたくらい。それでもほぼ毎年防御率1点台をキープし続けていて、間違いなく日本球界だけの成績を見れば歴代最強の一人。

ただメジャーでは簡単に一発を浴びたり、自ら制球の乱れから試合を壊すなどらしくない投球が目立つようになってしまった。もちろんそれだけメジャーのレベルが高いというのもあるけど、どこかまだダルビッシュの潜在能力を発揮できていないような感覚がある。

多才な変化球や特にスライダーのキレというのはメジャーでもトップレベルのものがあるし、日本時代のように試合で能力を存分に発揮できればサイヤング賞だって取れるのではないかとすら感じる。今年は怪我からの復帰年ということで高い成績を求められていなかったけど、来年こそはぜひ!

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世間ではあまり知られていないのかもしれないけれど、栄養学、生理学の勉強をして、科学的な見地から野球に取り組む理論派としての側面がある。
徹底した自己管理と肉体改造で今では体重107キロで、最速159キロを投げるまでになった。もともと技巧派投手だったのに単純なスピードだけでも日本人トップレベルってチートすぎる。

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8位 田澤純一

日本球界の指名を拒否し、メジャー挑戦を実行した挑戦者

  • 日本球界を経ずにアメリカ挑戦をしたが、退団後も2年間日本に復帰できない田澤ルールが生まれた
  • 2010年にはトミージョン手術を受けるなど苦しいシーズンもあったが、レッドソックス不動のリリーバーとなった
  • 2013年には上原につなぐリリーバーとしてワールドシリーズ制覇に大きく貢献
田澤純一

2013年には大車輪の活躍でレッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献した田澤だが、ここ2年は低調に終わり、レッドソックスの構想外として退団が濃厚になっている。
しかも田澤ルールによって2年間は日本球界に復帰できない厳しいルールが待ち構えており、現実的にはレッドソックス以外のどこか他の球団に入団するしかなくなってしまった。

本来なら日本球界から引く手あまたである存在であるのに、プロ野球のヘンテコなルールによって厳しい処遇を余儀なくされたかわいそうな男でもある。

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日本でもほとんど一般知名度がないが、アメリカ全土でハイチュウを広めた張本人もあり、ハイチュウから名誉認定されてもいいくらいの貢献をしている。
ただし、そこらへんを歩いている女子高生に田澤のことを聞いても誰も知らないだろう。本当のウォーリアーとは世間から評価されないものなのかもしれない。

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9位 川崎宗則

メジャーの夢を追いかけ続ける永遠の野球少年

  • ソフトバンク時代はベストナイン、ゴールデングラブ賞を2度受賞した球界屈指のショートだった
  • 尊敬するイチローを追ってメジャーに挑戦するも、ほとんどのシーズンをマイナー契約で過ごす
  • アメリカでも溌剌としたキャラクターは大人気で、アメリカ・カナダで非常に高い人気を誇る
川崎宗則

川崎からはもはや良い意味でソフトバンク時代の面影はなく、かつての名手もここまでメジャー仕様に変わるのか、と驚くほど、フィールディングもメジャーリーガーさながらになっている。
しかしバッティングはマイナーでも微妙な成績になるなどどうしてもパンチ力が足りず、メジャー在籍はほとんど叶わなかった。それでもマイナー最終日にメジャー昇格を決めるなど、紙一重のところで生き残り続けている

日本人選手はメジャーで通用しないという常識に戦い、そして今の所はそれに敗れ続けているが、そんな常識をいつか打ち破ってくれるのではないかと期待している。

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おそらく生活するのに最低限程度の給与しか貰っていないにも関わらずアメリカ挑戦を続ける男。彼を見てると涙が出て来るくらいに心が突き動かされる。
アメリカでは陽気なキャラクターで人気だが、本人は割り切って演じているようにも見える。それすら武器にしてアメリカで生き残り続けるのはもっと評価されるべきだと思っている。

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