PSVitaの「テイルズオブハーツR」は王道RPG!
10代から20代を中心に根強い人気を誇っている『テイルズオブ』シリーズ。
豪華な声優陣と作画にこだわったアニメーション、個性豊かなキャラクターといったゲームというよりも漫画やアニメに近い雰囲気を漂わせつつも、アクションゲームさながらの爽快な戦闘システムで多くのゲームファンを虜にして来ました。
1995年に第一作が発売されてから15作品以上世に送り出していますが、その中でも2008年にニンテンドーDSで発売され、2013年にPSVITA用にリメイクされた『テイルズオブハーツR』(以下TOHR)は、2000年代のRPGにしては珍しい王道ファンタジーです。そんなTOHRの魅力を語っていきましょう。
「少年は少女を守るもの」という少年漫画的展開
主人公は田舎に住むシングという少年、ヒロインは兄と共に悪者に追われて逃げて来たコハクという美少女です。シングがコハクを助けたものの、ちょっとしたミスでコハクの心は砕けて心の欠片が世界中に散ってしまいます。
感情を無くしたコハクへの罪悪感と「この子を守りたい」という気持ちから、シングはコハクの心を探す旅に出ます。これが物語の導入部分ですが、従来のテイルズオブシリーズのような捻りがありません。複雑な背景や世界観が一切無く、「好きな女の子を守りたい」という古き良き少年漫画のような展開であっという間に物語が進んでいきます。
RPGというと複雑な世界観や専門用語にうんざりするという事が多々ありますが、TOHRはそういった事が一切ありませんので、ストレス無くゲームを進められます。また、主人公のシングもヒロインのコハクも強すぎる個性がありませんので、嫌味が無く好印象です。
無駄のない戦闘システムとキャラクター
従来のテイルズオブシリーズと同じように戦闘が楽しいRPGになっていますが、複雑な操作がありません。見やすい画面とスムーズな操作性が初心者にも優しい仕様になっています。
しかし最も素晴らしい点は、キャラクターごとに役割が被っていないというところと、過剰なバランスブレイカーが存在しないというところです。
「このキャラさえパーティに入れておけばなんとかなる」という事がありませんので、満遍なくキャラを育てて使っていく必要があります。このような仕様は90年代ゲームにはよくありましたが、2000年代ではあまり見なくなりました。どのキャラにも長所と短所がありますので、パーティ編成を練る楽しみがあります。
まとめ
ここで挙げたTOHRの良さはほんの一部に過ぎません。DS版は賛否の分かれるゲームでしたが、リメイク版はシナリオの一部変更やキャラクターの追加、戦闘システムの大幅変更などがあり、全く別のゲームへと生まれ変わりました。
DS版で挫折した人は一度リメイク版をプレイすることをおすすめします。
また、近年の捻りの効き過ぎたRPGに飽きてきたという人も是非プレイしてみてください。コテコテの王道RPGというのも今のご時世では新鮮ですよ。