書店員のアルバイトは時給が安くて意外と力仕事。それでも特権があって良いこともあります。
書店員のアルバイトといえば、本が好きな人なら一度は憧れる仕事ではないでしょうか。
たくさんの本に囲まれて、本好きのお客さんに接して、それでお金がもらえる…もしかしたらそんなイメージがあるかもしれません。
ただ案外、書店員の仕事って肉体労働も多かったり、レジの対応を一人でずっと行わなければならなかったりで、辛いところもあります。
そこで今回は書店員のアルバイトをされていた方からアルバイトの体験記を提供していただきました。
書店員になってみたいと考えている方はぜひ読んでみてください。
面接について
まず、履歴書を送り書類選考から始まりました。
書類選考が通ると、次はお店に面接にいくことになります。
服装の長袖の襟付き白シャツにピチッとした黒のズボンを着て行きました。
書店員は大体エプロンに白シャツ、黒のズボンで働いていますからね。
(私が働いている店舗で男性は白シャツにネクタイ、黒のズボンで女性は白のブラウスに用意されていたベスト、用意されていたキュロットスカートです。)
面接の内容としては以下のようなものでした。
- 力を使いますが大丈夫ですか?
- 時給は安いですが大丈夫ですか?
本のちょっとした知識も聞かれましたね。
「お客様から聞かれますから答えられるか聞きました」と面接担当の店長に言われました。
書店員は時給が最低賃金に近いくらいに安く、力を使うこともあり、覚えることが多いのですが、それを知らず入る方がいるから聞いたのかと思います。街の書店というのは経営が厳しいところが多いですからね。
面接の合否についてはその後、電話で伝えられます。
初日はいつになるのかはその電話で決めました。
書店員に対する正しい認識を持って、しっかりと面接に臨めばそれほど気負いする必要はありません。(もちろんどれだけ人手不足なのか、応募が来ているのかなど状況によって異なりますが)
仕事内容と大変なこと
元々私が接客が苦手だったので、最も大変だったのは接客でした。
そして覚えることが多いことも辛かった記憶があります。
長年働いている方でも今でも覚えることがあると言っているくらいです。基本のことから本の知識など、案外知らなければならないことが多いのです。
接客で良くあるのが、本の場所を聞かれることですが、それ以外にも本の取り寄せ、予約、ポイントカード、試験や模試の申し込みなど多岐にわたります。
これらは覚えることの基本に入りますが、全て覚えにくいと言いますか、それぞれ画一的なものでないですし、説明しなければならない内容が多いです。
一番覚えにくいのは模試や、試験の申込みですね。
キャンセルが出来ないことの説明、会場などの説明もしなければならないので、漏れていることがないか気にしつつも説明していました。
(ちなみに予約、取り寄せもキャンセルは不可です)
ちなみに、本の内容を聞いたりや出版社自体がない場合は、聞かれても調べようがないのでそれは分からないと伝えるしかなかったですね。
他にも以下のような仕事があります。
こちら大体網羅しているとは思いますが、店舗によって仕事内容が変わってくるはずなので、参考までに。
- レジ打ち、レジの締め作業
- クレジットカード、図書カードなどカードの会計も
- カレンダー、図書カードなど本以外のものを販売
- 定期購読の予約
- プレゼント包装
- 古本買取
- くじ販売
- 店番、巡回
- ブックカバー付け
個人的には雑用が一番楽しくできました。
シュリンクをつけたり付録をつけたり、黙々と作業するのが元々好きだったからです。
力を使う仕事としては本を大量に運んだり、くじの景品を取ったり、他にはお客様が大量に買われた本をレジに通りしたり、他には棚を運ぶなんてこともありました。
店には常時2~3人(男女が常駐している事が多かったです)いて、私は主にレジ打ちを担当しています。
早めに研修が終わってからは一人で仕事をしていたので、結構孤独でした。
お客様として見ていると本のレジ打ちばかりに目が行って楽そうに見えますが、案外やることは多岐にわたりますし、力仕事もあって案外キツい事が多いようです。
給料について
時給については割りに合っていない安さかなと思います。
そもそも書店員は時給のベースが安く、私の場合は最低賃金で行っていたのですが、先程紹介したように仕事内容は多岐にわたりますし、レジは一人で担当していたので。
体力や頭を使うことも多いですし、金銭目的でやる分には効率が良くないと思います。
人間関係、出会いについて
出会いについては正直あまり良くわかりませんでした。
ただし店番を男女一人ずつで担当しますし、働いている方の多くは真面目で優しかったり、アニメや本好きで話しやすいので交際関係に発展する可能性はあると思います。
人間関係はかなり良好でした。
ただし良好であるがゆえに、やめづらいところもありますが、それは個人の問題ですしね。
仕事では一人で作業することが多いですが、巡回している人と話をすることもあります。
基本的に本や仕事といった共通の話題があるので、楽しいですよ。
身だしなみ
髪色は黒または、派手ではない髪色のみです。
派手ではない髪色というと、焦げ茶ぐらいです。
ですがやはり黒髪が多いので、あまり染めてる人はいませんでした。
私のところは身だしなみに厳しくて、髪型に限らず服装もルールが定められていました。
例としては白のブラウスにベスト、キュロットスカート、黒の靴下、動きやすい靴、髪型といった感じで、分からなければ周りと合わせれば大丈夫です。
それと、言葉遣いにも厳しかったですね。
店によっては厳しさが違いますが、私の場合はあまり慣れていなかったので、一番こなすのに時間がかかりました。
バイトで得られること
バイトで得できることといえば、やはり従業員割引で商品が買えること、そして本をすぐ買えることです。
本をそもそも購入しないという方にとってはあまり伝わりづらいかもしれませんが、本好きにとっては特権的で凄く嬉しかったです。そして、売り切れる前に本を買うことができます。
更には本の知識がつくこと、お金を早く数えることができるようになりました。
やっているうちにコミックの値段や、それがいつ発売かなども自然と覚えています。
後は言葉遣いが丁寧になるところですね。
私のところでは「〜ございます」が基本だったので、敬語が身につきますし、社会人になったことも考えると敬語を覚えておけるのは良かったです。
それと、これは個人的な趣向なのかもしれませんが、どんなお客様が何を買っていくのか分かることですかね。
可愛いお客様が漫画を買っていかれたり、自分が読んでいる本を買っていかれたり、面白そうな内容の本を無口なお客様が買っていかれたり、厳しい店長がギャグ漫画を買っていかれたり…など、個人的には面白いし、中々楽しみなことです。
働いてみての感想
働いている方は良い方が多く、趣味が一緒なので、人間関係はとても良好でした。
(辞めづらくもなりますが…)
ただし、覚えることが多すぎて最初は凄く慌てたり焦ったりします。今でもたまにそうなることがありますが…。
それと力を使うことが多いので、体力がないとヘロヘロになってしまうと思います。
休憩中に甘いものを食べたり、水分補給をしないとやってられない、というか倒れちゃいそうになるくらいです。
書店が駅前だと扉は開けっぱなしなせいか、立ちっぱなしで、意外と体力を消耗するので、体調管理にも気をつけています。
意外と書店員は体力勝負で、本好きだけで勤まるかはわかりません。
もちろん、本好きではないと辛いところもあり、本の位置などは嫌々覚えてもなかなか記憶に定着しないですからね。
金銭的な面がやっぱりネックですが、本が好きでやっていて、書店員特権もあるので、今でも続けていますよ。
これを見て書店員って実際どんな仕事なのか理解していただき、やってみたい!と思っていただければ幸いです。