Jリーグを独占放送するDAZNとは?サッカーを始めとしたコンテンツ、利用料金、評判も紹介。
JリーグとDAZN(ダ・ゾーン)が2017年から10年間の放映権契約を結びました。これまでスカパーで長年行ってきたJリーグ中継はいよいよネット配信に踏み切ったことになります。
ところでDAZNとはどのようなサービスなのでしょうか?
実はJリーグ以外にもプロ野球や、アメリカの総合格闘技イベントUFCも視聴できたりとよりどりみどりのスポーツ配信サービスなんです。そんなDAZNに関する情報をまとめてみました。
DAZNについて
DAZN(ダ・ゾーン)という名前に馴染みがない人は多いかもしれません。
2016年夏に開設されたばかりのスポーツ専用の動画配信サービスで、イギリスのパフォーム・グループという会社によって運営されています。
動画配信サービスは近年世界に急激に広まっており、アメリカではNetflixが一般家庭でも当たり前のように契約しており、アメリカだけで5000万件の契約があるそうです。
DAZNはスポーツ配信に特化したサービスで、開設されたばかりですが、既に世界展開を視野に入れて動き出しています。
Jリーグの独占契約
DAZNの名前が日本で知られるようになったのは、Jリーグとの独占契約が余りにも大きな金額だったからです。
契約の内容としては10年で2100億円という放映権契約でした。
1年あたり210億円という金額ですが、これまでのJリーグの放映権料は1年で50億円程度と言われており、4倍以上の額に跳ね上がったことになります。
Jリーグ全体で見ても年間の市場規模が600億円と言われていますから、それの1/3がまるまる収入として得られるのですから、日本サッカー界全体にとって大きなニュースとなりました。
あまりサッカーに詳しくない方のために少し説明すると、Jリーグはそれほど金銭的に恵まれているわけではありません。
親会社が存在する野球と比べると、サッカーはクラブ運営だけで黒字を出さなければならず、3期連続で赤字を出すと、クラブがJリーグライセンスが剥奪されてしまうという非常に厳格なものになっています。
そのためJリーグ創設当初のように、海外でバリバリ活躍しているような選手を獲得することが難しくなっており、良くも悪くも身の丈経営によってJリーグがこじんまりとまとまってしまっていました。
そんな中で、Jリーグの収入源を大きく増やすことになるDAZNとの放映権契約は日本サッカーの閉塞感を打ち破る一つの要因になるのではないかと言われています。
単にJリーグがネット配信になった、というだけでなくそんな背景を知った上で見るとより楽しめるのではないのかと思います。
放映権契約に関する余談
ところで10年で2100億円という契約は無条件で貰えるわけではなく、実際には数年の経過を見て契約数が順調であるのならば、徐々に放映権料が上がっていくという仕組みなようで、もしも思うように契約数が伸びなかったら契約内容が見直されることがあるそうです。
ですから日本サッカーを応援したい!という方はぜひ契約を考えてみて下さい。
コンテンツ一覧
もちろんDAZNで配信されるのはJリーグだけではありません。
多くのコンテンツが配信されるので、ざっと一覧で並べてみます。
サッカー
- 各国リーグ
- Jリーグ
- ブンデスリーガ (ドイツ)
- セリエA (イタリア)
- リーグアン (フランス)
- イングランドリーグのカップ戦
- スペインのカップ戦
- ワールドカップ予選
- 南米予選
- ヨーロッパ予選
- 北中米カリブ予選
プレミアリーグとリーガエスパニョーラは放映されませんが、それ以外の主要リーグおよびJリーグが全試合放映されます。
さらに南米やヨーロッパのような非常にハイレベルなワールドカップ予選まで放映されるのですから凄いですよね。
野球
- 横浜DeNAベイスターズおよび広島東洋カープ
- メジャーリーグを1日4試合、ポストシーズン・ワールドシリーズ含む
プロ野球の方はまだDeNAと広島だけですが、メジャーリーグはワールドシリーズまで放映するのですから野球ファンにとても魅力的な内容だと思います。
パ・リーグに関してはパ・リーグTVというサービスが既に存在するため、なかなか難しいのかもしれません。
ラグビー
- ジャパンラグビートップリーグ
- ナショナルラグビーリーグ (オーストラリア / ニュージーランド)
- アビバ・プレミアシップ・ラグビー (イングランド)
W杯での躍進以来注目されている日本のトップリーグだけでなく、本場のオーストラリアやイングランドのリーグも放映しています。
バレーボール
- Vリーグ
- プレミアリーグ
- チャレンジリーグ
- FIVB世界クラブ選手権男子/女子
プレミアリーグは1部、チャンレジリーグは2部・3部のリーグです。
日本の社会人バレーボールの最高峰も放映されます。
格闘技
- UFC (総合格闘技)
- Glory (キックボクシング)
UFCはアメリカで大人気の総合格闘技イベントです。
メジャースポーツに次ぐ人気とも言われており、かつて格闘技大国だった日本からも参戦しています。
ちなみにUFCはアメリカのPPVを購入すると40ドル以上してしまうので、DAZNから生中継を見られるのは破格の内容です。
以前WOWOWで放送されていたのですが、打ち切られてしまったのでDAZNが日本から唯一のチャネルです。
Gloryはヨーロッパで最大のキックボクシングイベントです。
ピーター・アーツやグーカン・サキといったK-1ファイターたちが日本大会で出場しています。
バスケットボール
- NBA
NBAはレギュラーシーズン140試合、オールスター、プレーオフ、ファイナルまで放映されます。
レギュラーシーズンの全試合数は1230試合なので全てが放映されるわけではありませんが、WOWOWでも1節につき5試合で時間差放送なので、こちらも十分WOWOWを代替するような内容です。
テニス
- ATPワールドツアー・250シリーズ (男子)
- WTAプレミアトーナメント(女子)
- WTAインターナショナルトーナメント (女子)
テニスはグランドスラムやマスターズは放映せず、男子はATP250のみとなっています。
こちらはWOWOWのほうがかなり充実しています。
モータースポーツ
- F1、GP2、GP3
- ポルシェスーパーカップ
- いずれも全レースフリー走行・予選・決勝をライブ配信
ヨーロッパでは大人気のモータースポーツだけあって、コンテンツがかなり充実しています。
これまではスカパーくらいしかチャネルがなかったので、DAZNが網羅してくれているのはありがたいですよね。
アメリカンフットボール
- NFL
NFLはアメリカで最も人気のスポーツで、レギュラーシーズン87試合、プレイオフ全10試合、スーパーボウル、プロボウルが配信されます。
レギュラーシーズンは全256試合なので、1/3ほど網羅しています。
1試合で何百億円が動くとされる、世界最大の採点スーパーボウルも放映されるので要チェックです。
アイスホッケー
- NHL
- レギュラーシーズン182試合、プレイオフ50試合、スタンレーカップ
レギュラーシーズンは82節で全1230試合なので、大体1/6くらいが網羅されています。
1節あたり2~3試合といったところです。
日本からだとスカパーのJsportsでのみ見られますが、ここでは毎週1試合しか放送されていないので、DAZNが最大のチャネルということになります。
その他の競技
この調子で全て紹介していくと冗長になってしまいますので、あとは一覧で表示します。
- ゴルフ
- ダーツ
- フィッシング
- バドミントン
- 馬術
- 水泳
- 陸上・マラソン
- ロードレース
フィッシングという日本では全く馴染みのないスポーツまで配信されています
それとロードレースはヨーロッパでは人気スポーツなので本場の熱を体験したいですね。
ちなみに公式サイトのコンテンツ紹介ページはこちらです。
料金について
料金は月額見放題で1750円(税抜)です。
もちろんいつでも入会・退会可能となっています。
また最初の1ヶ月は体験期間となっていて、登録して1ヶ月以内に退会すれば料金は取られません。
ちなみにスポーツ好きの方がよく契約されているWOWOWの利用料金は2300円。
スカパーはJリーグだけで2800円の上に基本料金もかかってしまいます。
それを考えるといかにDAZNがお得なのかがわかると思います。
ちなみにWOWOWさんには大変お世話になったのであまり悪く言いたくないのですが、契約をやめるには電話で伝えなければならず、長々と引き止めにあってしまって凄く面倒だった記憶があります。
ネット上で簡単に退会できるというのも良いポイントですね。
DAZNの評判
これだけ盛りだくさんのコンテンツが揃っていて、料金と安いのならば諸手を挙げておすすめ!と行きたいのですが、実は利用者の評判は悪いのが現状です。
それは予定されていたコンテンツが配信されない、というわけではなく、主にネットワークの状況とユーザーインターフェース(UI)の部分ですね。
ネットワークについて
テレビではなくオンラインでの視聴ということで、一番ネックになるのがこのネットワーク問題です。
DAZNでは通常HD画質で見られるのですが、回線状態が悪くなると低画質になり、さらに悪化すると勝手にストップしてしまいます。
筆者や周りの人もDAZNを使っているのですが、この回線悪化が頻繁どころかほぼ常態化していて、ストップしてしまうことも珍しくありません。
(私の回線が悪いということではなく、DAZN以外の配信サイトでは問題なく視聴できています。)
これと同様の意見がネットでも多く寄せられており、最もボトルネックになる部分が劣悪なのが悩ましいところです。
ただDAZN自体が2016年夏にサービス開始したばかりなので、今後改善される可能性は高いと思います。
UIがわかりにくい
DAZNはこのようにかなり先進的なインターフェースを導入していてカッコ良くはあるのですが、ところどころ操作が直感的でなかったり、動作が重たかったりして気持ちよく使えないという意見が多く聞かれます。
若年層の方ならばすぐに慣れるかもしれませんが、ある程度年齢がいった方ですとかなり敷居が高く感じられるかもしれません。
以上の二点が問題としてあげられていますが、1ヶ月の体験期間がありますので、まずは体験してみてご自身にあったものであるかを確かめてみると良いと思います。
DAZNは契約すべき!?
本当のところはご自身で選択していただきたいのですが、登録する前に何となくの塩梅くらいは知っておきたい!という方のために、私の主観を最後に紹介します。
個人的には…まだもう少し待ちましょう、というのが私の見解です。
コンテンツは豊富だし料金も安いのですが、いかんせん回線の劣悪さがそれを上回ってしまいます。UIに関しては慣れるのでさほど問題はないと思いますが。
ただJリーグだけで年間200億円以上かけているだけに、回線環境の投資くらいは早い段階でやってくれると思いますので、そうなったら絶対にオススメ!です。