2016年11月11日

老舗の和食料理店でアルバイトした体験談。時給や必要なマナー、辛かったことなど紹介。

アルバイトの中でも飲食店は定番ですが、ここで紹介するアルバイトは老舗の和食料理店です。チェーン店とは少し違ってマナーや見だしなみにも厳しいとのことです。
チェーン店ではない店で働くとこんな感じなのか、ということが分かると思いますので、飲食店でアルバイトをしてみたいと考えている人はぜひ参考にしてみて下さい。

老舗の和食料理店でアルバイトをしたいと思ったのは大学三年生の夏頃のことでした。

それまでは塾の講師や採点官のアルバイトをしていて、何となく働くということについて理解していたつもりでした。何より自分自身が食べることや料理が好きだったこともあり、飲食店で働いてみたいと思って始めました。

結果的に1年と少しくらい働いた上での経験を紹介していきます。

面接で聞かれること

アルバイトの採用面接は、基本的には店長とホールのリーダーの方との2対1で行われます。

大学でどのように過ごしているのか、出勤できる曜日などシフトについての話の後に、特徴的だったのが箸を綺麗に持てるのかのテストがありました。

というのも鍋を提供する時に、箸を使うから綺麗に箸を使う必要があるのだと実際に仕事をしてから判明しました。(これは特殊なケースだとは思います)

仕事内容

私はホールのスタッフだったので、主に接客がメインの仕事でした。
お客様を席までご案内し、オーダーを取り、配膳することが主な業務になります。

そのほかにはお客様が帰られた席の片付け、ドリンクの準備、またお鍋を出すお店だったので、その準備や洗い場のお手伝いもします。
変わった仕事としてはお客様の目の前でお鍋を炊くことがありました。もちろん、レジ係に当たればレジ締めやレジ打ち、電話の予約対応もあります。

和食のお店なのでマナーや下座上座のルールには詳しくなり就職活動などの時にとても役立ちました。

時給について

最初は地域の平均と同じくらいの900円で、最初の3ヶ月は850円でしたが、後に950円に引き上げられました。

年末の繁忙期や深夜には手当てがありましたし、定期券外の人には交通費も出ていました。

髪型について

髪の毛は長ければくくってネットで止める、前髪は必ずヘアピンで留めることが徹底されていました。
染めること自体は禁止はされていませんでしたが、余りに明るい人が注意されているのは見たことがあります。

どこの飲食店でも無難なのは6~8(髪の明るさの指標)までかなと感じました。

居酒屋や他の飲食店では明るい色の髪も許される場合もありますが、基本的には初めたばかりの頃には暗めの色の方が無難だと思います。

身だしなみ

基本的には清潔感が一番なので、お客様に不快感を与えないことが第一です。
そのため化粧も派手すぎるものは禁止ですし、逆に小ぎれいにしていないといけないという緊張感がありました。

またピアスは絶対に許されず、ピアスの穴でもダメな雰囲気がありました。
一度パートさんとのお話の中でピアスの話があった時に、穴が空いていないかチェックされたりもしました。

大変だったこと

年末年始や1月〜3月にかけての寒いシーズンには行事帰りに寄られるお客様が多かったため、非常に忙しかったです。
また、忘年会・新年会のシーズンに飲み放題メニューがよく注文されるため、ドリンクのサーブが忙しく、注文も多く通りやすいので大変でした。

ただ、お店が比較的高級なお店で敷居が高く、百貨店の中に入っていたため酔っ払いや暴れるようなお客様が来られることがあまりなかったため仕事としてはやりやすかったです。

お店が百貨店の中なので、営業時間が居酒屋などよりは早めなのに、最上階に映画館があるせいか閉店ギリギリまでお客さんが入ることがあり、レジや最後の片付けに当たる人は時間が遅くなってしまうことがあり、苦労していました。

また、途中でオーダーを取るためのハンディと呼ばれる機会の入れ替え等があった時には、システムが全く違うためなれるまで大変でした。
その他には制服が全店で新しくなった際には既存の制服をクリーニングに出したりする必要があったりしました。

板場の方が基本的に体育会系なので、あまりにも仕事が遅かったりすれば、どやされたり、怒られたりもします。
しかし、人一倍努力して成長すれば、それを見てもらえる職場でもありました。

良かったこと

百貨店の社割があったので、平日に館内のレストランの賄いを安く食べれたり、社員専用のセールがあったため、雑貨屋さんなども利用できて楽しかったです。
また、お店の社割で敬老の日やお正月に安い値段でお持ち帰り用の鍋セットなどを買えたり、1年以上勤務している従業員のための慰労会などもあり、とても充実していました。

余ったうどんやそば、出汁を使って賄いを作っていただくことがありました。それが美味しく大変嬉しかったです。

身についたこと

このアルバイトを通して最も身についたのはマナーでした。
社会的に必要とされるマナーや常識はもちろん他の塾講師やコンビニなどのアルバイトでも身につくと思います。

しかし、和食の特に麺類を扱っているお店ではそれを食べるお客さんを見て、自分がどのようにいつも料理を食べていたのか綺麗にちゃんと食べていたかと考え直す機会が多いです。
和食は特にマナーが多く難しいですが、そのマナーが食べ終わった後のお店のためだけでなく、自分自身のためになるのだということが嫌というほどわかります。

また、和食の料理店、特に私の働いていたような百貨店のお店やお寿司屋さんでは他のお店以上にルールや普段使わないような日本語が飛び交ってます。
もちろん商品の略語もありますがそれ以上に商品の食材の産地や出汁の割り下を作る工程、板場さんの職人の仕事を見ながら毎日過ごすことになるので、「食」に関する情報をたくさん見聞きして学ぶことができました。その中で、珍しい食材や身近な食べ物の意外な食べ合わせを発見することもできとても面白かったです。

そのため、元々苦手だった和食も自分がアルバイトで関わるようになってからほとんどを食べることができるようにもなりましたし、自分から料理をしたいと思うことも多くなりました。

元々人見知りが激しく、アルバイトを始めたばかりの頃は笑顔も作るのが難しく、苦労をしましたが、荒療治で毎日アルバイトに行って必死で1組1組お客様に丁寧な接客を心掛けていくことで直しました。
何よりも大切なのは、諦めずに頑張ることと、毎日少しづつでもステップアップすることを意識することで、たとえ業務に慣れてからも、より良い接客を心がけることができるのではないかと思いました。

アルバイトを通じての感想

ホールの仕事自体は業務内容を覚えれば誰にでもできる仕事ですし、単純で簡単な仕事ですが、ホールはサービスです。

そのことをしっかりと胸に刻んで、もうやめてしまおうかと思う日も毎日ひたむきに頑張る根性が必要な時もあります。そのことを胸に止める必要があると思います。

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