ガチャもある任天堂のアプリ『ファイアーエムブレム ヒーローズ』はどんなゲームなのだろうか?
『ポケモンコマスター』や『スーパーマリオラン』を皮切りに、家庭用ゲームメーカーの最後の砦だった任天堂が、スマホゲームアプリに参入し始めています。
射幸心を煽る「ガチャ」を否定し続けてきた任天堂ですが、ついに「ガチャ」の実装に踏み切りました。そのタイトルは『ファイアーエムブレム ヒーローズ』。任天堂の人気タイトルの中でも、実験的な作品だったFEが、今回は注目を浴びることになっています。
この記事では、2月の発売日も迫りつつあるなか、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』はどのようなゲームなのか、なぜファイアーエムブレムのガチャゲーなのか、を考察していきます。
目次
ファイアーエムブレムとは?
FE(ファイアーエムブレム)と略されることが多いです。あと、ファイヤーエ"ン"ブレムではなく、ファイアーエ"ム"ブレムです。
SRPG(シミュレーション・ロールプレイングゲーム)というジャンルの草分け的なゲームであり、1990年に発売された『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』から現在まで、様々なタイトルが生み出され続けています。
ちなみに、初代のFEは、「枯れた思考の水平展開」で知られる横井軍平がプロデューサーを務めています。
また、ソフトの制作は任天堂のセカンドパーティーである「株式会社インテリジェントシステムズ」が行っています。
「ファイヤーエムブレム」の他には、「ペーパーマリオシリーズ」や「メイド イン ワリオシリーズ」なども制作している会社ですね。
制作自体しているのは任天堂本体ではなく、別の会社なのですが、任天堂との信頼も厚く、「任天堂名義」で多くのソフトを販売し続けていました。
任天堂のセカンドパーティー
任天堂は、あまりRPGを作りたがらない会社です。もともとが玩具メーカーであり、「手触り」や「操作感」などを重視したゲームを作ってきました。
任天堂がハードやアクション性の高いゲームを作り、スクエニなどのサードパーティーがRPGを作ってきたのが、日本のゲーム市場でした。
「任天堂のRPG」は、任天堂と関係が深く、任天堂のハードと独占契約をしているけど、任天堂ではない、いわゆる「セカンドパーティー」と呼ばれる会社が主に作ってきました。
参考までに、日本のゲーム業界では「ファーストパーティー」や「サードパーティー」という言葉をよく使いますが、このような意味です。
- ファーストパーティー……自社のハードでソフトを作る
- セカンドパーティー……親会社のハードでソフトを作る
- サードパーティー……別会社のハードでソフトを作る
そして、「ファイヤーエムブレム」は、「セカンドパーティーによって作られた任天堂のゲーム」なのです。
ちなみに、スマブラを制作している「HAL研究所」や、ポケモンを制作している「ゲームフリーク」もセカンドパーティーに分類されます。
なぜ『ファイアーエムブレム』でガチャなのか?
2017年3月3日に発売が決定している「ニンテンドースイッチ」のようなハードを作ることを、任天堂の本部は力を入れてやっています。
一方で、「スマブラ」「ポケモン」「ファイヤーエムブレム」のようなセカンドパーティーは、RPGなど、任天堂の本部ができないことを補うような形で、ゲームを作ってきました。
任天堂は世界的なゲームメーカーですが、一方で株主や利害関係者から、「なぜスマホゲームをつくらないのか」、「どうしてガチャを実装しないのか」と言われ続けてきました。
一方で、マリオやゼルダを「ガチャゲー」にしたくはありません。そのため、ファイヤーエムブレムに白羽の矢が立ったのだと思います。
「ガチャ」をやるためには、たくさんのキャラクター数、モンスター数が必要です。
よって、マリオやリンクはなかなかガチャにするのが難しいと思います。アクションゲームは、それぞれに動きを付与する必要上から、登場するキャラ数が少ないですが、RPGは、それに比べてキャラクターが多い傾向にあります。
任天堂は非常にキャラクターを厳選する企業であり、本家直属の正式なキャラクターは、ピクミンの後はスプラトゥーンです。
キャラクター数で言えば、ドラクエやファイナルファンタジーのようなRPGに遠く及びません。
そのため、任天堂はガチャが不得意なゲーム企業だと言えるでしょう。
任天堂が「ガチャ」をできるのは、RPGを作っていて、多くのキャラクターを抱えるセカンドパーティー、具体的に言えば『ファイアーエムブレム』か『ポケモン』なのです。
ポケモンは、サンムーンという新作や、『ポケモンGO』といった新しい試みに使われているので、タイミング的にも、ファンの期待的にも、あまり「ガチャゲー」に適してはいなかったのだと思います。
よって、ファイアーエムブレムが「任天堂のガチャ先発」を担当することになったのかなあ、と思います。
個人的には、自然な流れだなあ、という感想です。
ちなみに、FEの後にリリースされる予定の「スマホ版どうぶつの森」のガチャがあるのかどうかはわかりません。
住民がガチャで出てくるか、家具がガチャで出てくるか、色々と方法はありそうですが、とりあえずは公式の続報を待ちたいと思います。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』とはどのようなゲーム?
今までのファイアーエムブレムの総集編+新ストーリーという形のゲームで、作品の垣根を超えて、あらゆるキャラクターが入り乱れます。
マルス、ロイ、ルキナ、フルレなど、スマブラに参戦した有名キャラクターや、リン、チキ、タクミなどの原作で人気のキャラクターが勢揃いし、同じ場所で戦います。
FEファンにとってはたまらない作品だと思います。
ストーリー自体は完全新作で、アスク王国がエンブラ帝国に抗うという形になっています。
あらゆる異界の支配を目論むエンブラ帝国と、
それに抗うアスク王国、2つの国が存在する世界。歴戦の英雄たちの
力を借り得る「召喚師」として
特別な力を持つあなたは、
滅亡の危機に瀕するアスク王国を救うため、
特務機関「ヴァイス・ブレイヴ」の一員となり、
果てない戦いに挑みます。
スマホゲームの場合、「終わり」があってはいけないので、どんどんストーリーが追加されていく形式になるのだと思います。
最近は、『Fate/Grand Order』など、ストーリーで非常に成功しているゲームもあるので、物語のほうにも期待したいですね。
ヒーローズのオリジナルキャラクター
既存のキャラクターのみならず、ヒーローズから新しく登場するオリジナルキャラクターも登場します。
ただ前作までをまとめただけでなく、新しいFEを作ろうとする意気込みが感じられますね!
アルフォンス
アスク王国の王子であり、「マルス」のようなポジションの、正統派な王子様のように見えます。能力値も平均して高そうな感じがします。
シャロン
シャロンは、アルフォンスの妹で、だいたい同じような能力を持っていそうです。男キャラクターを使うか女キャラクターを使うか、プレイヤーが最初に選べる感じでしょうか?
ヴェロニカ
幼女キャラですが、エンブラ帝国の皇女であり、アルフォンスやヴェロニカとは敵対する立場にあります。
ストーリーがどのようになっていくのか気になって仕方がありません!
FEヒーローズのゲームシステム
ヒーローズは、マップが「8×6」マスと、非常に狭くなっています。
もともとのファイヤーエムブレムは地形が非常に重要な役割を果たしていたゲームで、移動距離の差などが、各キャラクターや職業の特徴を形作っていました。
このような狭いマップでまともな「ファイヤーエムブレム」ができるのかという不安もありますが、そこらへんはしっかりと調整してくれるでしょう。
また、今作では「剣・斧・槍」の3すくみに加えて、「炎・風・雷」という属性の3すくみもあります。
ガチャ(英雄召喚)
オーブを使って、キャラクターを召喚することができます。
各キャラクターにはレア度がついていて、そこらへんは少し露骨になりました。本編で主要扱いだったキャラクター、たとえば「if」の「タクミ」は☆5になっていますね。
ファイヤーエムブレムシリーズは、死んでしまったキャラは次の戦闘からはいなくなってしまうという、非常にシビアで残酷なシステムのゲームでした。
ヒーローズもそれを踏襲していると面白いのだけど、さすがに有料のガチャで引いたキャラが死んでいなくなってしまうというのはマズいと思います。
どうしてこうなった!? ダメージを受けると服が破ける!
PVを見て爆笑してしまいました。なんと、ダメージを受けると服が破け、ほとんど「艦これ」のような脱衣演出になっています。
任天堂さんは、一体他のスマホゲームにどのような印象を持っているのでしょう。さすがに極端なところだけ引き継いじゃってませんかね……。
とまあ、色々とギャグ要素が高く、不安でもあるFEヒーローズですが、2月2日のリリースを期待して待ちましょう。