2016年10月28日

増え続ける漫画の実写化についての是非

ここ数年前より漫画の実写化が目立つようになってきました。それに対しての視聴者の評価は様々。

実写の形もドラマ、映画、舞台等、国も日本だけにとどまらずハリウッドで実写化される等様々ですが、どうしてそんなに漫画の実写作品が増加してきたのでしょうか?実写化することによって評価が大きく分かれるのに実写化する理由は?

今回は視聴者の意見や独自の見解も含めて考察してみたいと思います。

漫画の実写化が増加してきた背景

漫画が実写化されるようになった背景には漫画を読む人が増えた、漫画の需要が増えたということが大きいと考えます。

昔は漫画を読んでいるだけでオタクと言われり、漫画を読むことはいけないとよく言われたたものですが、最近では大人も子供も誰もが漫画を読んでいます。
また、電子書籍という物も出来、手軽にいつでもどこでも漫画を読めるようになったのも大きな理由の1つでしょう。

海外でも【日本の漫画】という文化が受け入れられるようになり、ドラゴンボールやセーラームーン、ポケモン等は全世界で受け入れられている作品と言っていいでしょう。今や日本の漫画は日本だけにとどまらず、世界に注目されている作品なのです。

それに比例してCG等、撮影に必要な技術が急速に進歩してきていたことにより、今まで誰もやらなかった人気のある漫画を実写化しようということになったのではないでしょうか?
技術が向上するにつれ、何年も前に絶大な人気を誇って終了した作品が、何年も経った今次々と実写化されるようになってきました。

高度なCG技術で補えるようになってきた為、実写化不可能と言われていた作品が次々に実写化されるようになり、普通ではありえない世界観やアクションを表現している作品でも何の違和感もなく演出することが出来るようになってきました。
ハリウッドでもバットマンやアベンジャーズ等次々と漫画作品が実写化されており、日本の漫画だとドラゴンボールが実写化されました。

製作側としても監督や役者が原作のファンであったりと、馴染みのあるキャラクターの役作りはしやすいだろうし、昨今では役者自体の技術も向上し、ワイヤーなしでもアクションをこなせる俳優が次々に登場してきていることも漫画の実写化の後押しをしているとも言えます。

そもそも何故実写化するのか

私は原作自体が絶大な人気を誇っているからという安心感があるからだと思っています。実写作品は実はもう数十年も前からあり、今見ると驚くものばかりです。

分かりやすいものでサザエさんの実写作品があるのはご存知でしょうか?
手塚治虫作品のマグマ大使も実写化されています。
セーラームーンやテニスの王子様は役者は変っていきますが長年舞台上演されています。

これらの作品も多くの人から長年安定した支持があるから、実写化出来たのではないでしょうか?
原作が人気だからといって実写化することにより、どういったメリットがあるのか?ファンが多い程デメリットの方が大きいのではないか?と普通は考えると思います。

実写化をするということはメリットの方が大きい?

私はこう推測します。

実写化するということはまず第1に原作に安定した人気がある=オリジナルよりも元からかなりの宣伝効果が見込める。実写化することにより、まずは原作派が良くも悪くも興味を示す。原作の世界観やキャラクター達を誰がどう演出・表現するのか。

監督や役者が公表された時点で、原作を知らなくてもそのファンが興味を示す。CMやテレビ番組等で宣伝をすると、予告等を観て原作や監督、役者のファンでなくても何らかの興味を示す。

これだけでも実写化することに対して沢山のメリットが生まれる。
原作・役者・演出への興味が実写化に対しての大きなメリットを生み、それ故に実写化作品が増えているのだと私は考えます。

実写化による原作や役者への影響

原作自体、設定が濃いものだったりすると、実写作品に出ることは役者にとって今後のイメージに影響が出るということが考えられます。
同時に今までのイメージの払拭にもなる、偏った層にしか受け入れられていなかった役者が、多くの層に受け入れられている実写作品に出ることにより、知名度が上がるというメリットもあります。
役者側もそれを覚悟して、期待して出演していると考えられます。

役がなかなか抜けず、体調を崩して休養に入ったという役者もいれば、悪役やアクションのイメージが強く、その後もそのような役を続けている役者もいます。役者にとっても実写作品に出ることはかなりメリットデメリットのある難しい選択になるということは間違いないでしょう。

しかし役者への影響が多少あるにも関わらず、原作キャラクターには一切影響が出ないというのが原作ファンにとっては安心できるポイントですね。また、実写化により原作を知らなかった人達が原作に興味を持つ、という逆のパターンもあります。

私は実写化することによって原作のイメージが崩れると思っていましたが、原作を知らない人達がいるおかげで相乗効果が生まれ、原作も実写作品にもいい影響を及ぼす可能性もあるということは非常にいいことだと思います。

原作との相違

実写化に伴い原作ファンが1番気にする所は原作に忠実に実写化されているかどうかではないでしょうか?私も必ず役者が公表された際には作品を観る前からドキドキして心配になります。
原作ファンの方達にとっては原作の世界観を壊さないでもらいたいという想いが強いはず。製作する側にとっても1番気に掛かるところだと思います。

なるべく原作に近づけようという作品もあれば、キャラクターはそのままに、原作を観たことがない層にも受け入れられやすい様に設定を少し変えたり、全く違ったものにしてみたり。
また、人気のあるキャラクターをあえて登場させず、オリジナルキャラクターを登場させるという作品もありました。

そこが原作ファンにとっては良い所であったり、仕方がないとあきらめなければならない所であったり、許せない所であったり、それぞれ意見が出てくる部分だと思います。私はあえて人気のキャラクターを登場させなかったのはそのキャラクターのイメージを守るという製作側の配慮のだったのかな、と後になってから思いましたが。

私も原作ファンとしていくつか実写化された作品を観てきましたが、感想はそれぞれ。良かったものもあれば役者や演出等が足りないせいで明らかに違和感を感じた作品もありました。

ハリウッドで製作されたドラゴンボールに対しての批判は大きいものでした。やはり原作が作られた国とは違う国で製作されたということもあり、表現の仕方が大きく異なる点ばかりでした。
それなのにどうして漫画の実写化は止まらないのか?
それどころかどんどん増えてきている漫画の実写化に驚きを隠せません。

実写化された映画の総合的な評価

評価は作品によって様々ですが、実写映画の興行収入ランキングだけを見ると驚きの数字を見せる作品があります。

やはり原作の人気に後押しされているという所が1番大きい部分だと思いますが、興行収入ランキングを見ると上位にはスケールが壮大な作品が多く、やはり原作の世界観をどう表現するのか、果たしてこれを本当に実写化出来るのかという所に見る側が興味を抱き、前に述べた通り、技術の進歩によりそれが充分に可能になったからこそこの興行収入につながっているのではないでしょうか。

原作を知らない人達にとっては全く新しい作品ですし、原作にそれだけ人気があるということは宣伝や予告だけでも興味を抱かせる魅力があるということ。
そこに現代の撮影技術や役者の技術が加わり、こうした大きな評価を得ることが出来るのでしょう。ドラゴンボールは私個人的に失敗だったとしか言えないのですが海外での評価はどうなのでしょうか。

漫画と実写作品

漫画は当たり前ですが非日常的な世界観やキャラクターであふれています。
形は何であれ実写化する時点、人間が演じるという時点でキャラクターにその役者の命が吹き込まれる、ということはその時点でそのキャラクターや世界観はそれとは全くの別物になったのだと考えざるをえません。

これだけでなく他にも原作を読んだ人、国でそれぞれ感じる価値観が違う為、相違が生まれることは仕方がなく、実写化!と言われた時点でもう原作とは別の物として受け入れることが必要なのかもしれません。

漫画の実写化はこれからもどんどんと発表されていくのでしょうが、私はただ批判するだけでなく、原作を元にした完全なるオリジナル作品ということで、別の視点からこれからも楽しんでいきたいと思っています。

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