KNOCK OUT旗揚げ戦、那須川天心の相手はまさかのムエタイ現役王者!梅野源治を含む全対戦カードが出揃う。
先日紹介した「ガチすぎるキックボクシングイベント」ことKNOCK OUTの紹介記事ですが、たくさんのSNSシェアを頂けるなど大変な盛況でした。
日本は格闘技ブームが去ったと言われていますが、やはりまだ格闘技への関心が失われていないと感じる出来事でもありました。
もしも立ち技格闘技のかつての人気を取り戻すとすれば、その可能性を秘めた一つの団体はKNOCK OUTに違いないでしょう。
KNOCK OUTの全対戦カード決定
さて、KNOCK OUTは12月5日に旗揚げ戦を迎えますが、全対戦カードが本日11月4日に発表されました。全てが王者クラスの豪華な選手たちが集結していますが、中でも目玉カードは二大エースである梅野源治選手と那須川天心選手の試合でしょう。
本来ならば旗揚げ戦ということで、新しいファンに顔見世的な試合となっても良いところですが、さすがKNOCK OUTと言いたくなるようなガチなカードが組まれています。
それではこの二選手の対戦カードを紹介していきます。特に那須川選手の対戦カードの方が衝撃だったので、最初に梅野選手から行きましょう。
梅野源治 vs シリモンコン・PKセンチャイジム
梅野源治選手といえば日本ムエタイ界の至宝と呼ばれ、180センチの恵まれた体格と、本場のタイ人に一歩も引けを取らないムエタイテクニックで、10月23日にはタイ人以外では史上7人目となるムエタイメジャースタジアムでの王者となっています。しかも層の厚いライト級でのタイトル戴冠ということにより凄みがあります。
メジャースポーツのトップ選手にも匹敵するほどの才能や魅力を持っている梅野選手ですが、このKNOCK OUTでようやく陽の目を見るだろうということで、対戦相手にも注目が集まっていました。
メインイベントにも選ばれている梅野選手の試合の対戦相手は、「Mr.シャットアウト」の異名を持つシリモンコン・PKセンチャイジムに決定しました。
シリモンコン選手は、梅野選手が王者になっているムエタイのラジャダムナンスタジアムで、スーパーバンタム級・フェザー級の2階級制覇を成し遂げたタイの英雄です。特にパンチのテクニックに長けていて、必殺の左フックで数々の対戦相手を葬ってきたとのことです。
しかも日本人との戦績は過去5戦して4勝1分無敗ということで、梅野選手にとってはいきなり試練の相手となりました。そんな相手とあっても、梅野選手はKNOCK OUTのエースという立場から、KO宣言をするなど気合充分です。
大事な旗揚げ戦のメインイベントで納得の行く勝ち方ができるのか、そして会場のお客さんを満足させられるのか見ものです。
那須川天心 vs ワンチャローン・PKセンチャイジム
まさかこの対戦カードに決まるとは!
と驚きに満ちた凄いカードです。
那須川天心選手といえばキックボクシング史上最高の才能と呼ばれ、現役高校生ながら首相撲・肘なしのキックボクシング団体「RISE」の王者です。
パンチ・キック・スピードどれをとっても一級品で、既にRISEルールなら敵なしとも呼ばれています。
しかし今回参戦するKNOCK OUTはムエタイルールに近い首相撲・肘が許されているルールで、那須川選手にとっては初めての肘ありルールということもあり、不安要素がないわけではありませんでした。
そんな那須川選手の対戦相手に選ばれたのは、タイではラジャダムナンと並んで最も権威があるルンピニースタジアムの現役のフェザー級王者である、ワンチャローン・PKセンチャイジムです。紹介文をKNOCK OUTの公式サイトから引用します。
多彩な攻撃を持つテクニシャンとして知られ、特に左フックで対戦相手を打ちのめす姿から”THE LEFT BAD BOY”と称され、タイで恐れられる。非常に好戦的な選手で、ハードに打ち合うスタイルを持ち、2014年にはルンピニースタジアムで年間最高試合も受賞した。2015年の初来日では、ユウ・ウォーワンチャイと対戦し、強烈な左ミドルでKO勝利。日本のファンに大きなインパクトを残した
引用元: http://www.knockout.co.jp/news/news/20161104_nasukawa-2/
現時点で考えうる対戦相手としては紛れもない最強の選手で、そんな相手を肘ありルール初挑戦の高校生が迎え撃つわけですから、KNOCK OUTがいかに挑戦的な団体なのかが分かるカードです。
常識的に考えればやはり那須川選手が不利なのは否めませんが、それでもこれまで数々の常識を打ち破ってきた那須川選手ならあるいは…という期待を抱かせてくれるのも事実です。
それにしても現役高校生王者という肩書だけでも十分に話題性があるにも関わらず、それを組むKNOCK OUTも、それを受ける那須川天心にも驚かされるばかりです。
その他も注目カードが目白押し
もちろんその他の試合も全てがメイン級の豪華カードが揃っています。
森井洋介 vs ヨードワンディ・ニッティサムイ
森井洋介選手は名キックボクサーである小林聡の愛称を引き継いで「野良犬2世」とも呼ばれる選手で、小林聡と同じ藤原ジム(現・GOLDEN GLOBE)所属です。
今年3月には日本トップクラスと言われる町田光選手を相手にKO勝ち、さらに5月には全日本キックボクシングの王者に輝くなど今乗りに乗っている選手です。
ヨードワンディ・ニッティサムイはBBTVトーナメント王者の実績を持ち、今年6月には梅野源治を相手にダウンを奪われながらも、反撃に出てドロー決着にまで巻き返しており、実力は折り紙付きです。
T-98 vs 長島☆自演乙☆雄一郎
T-98選手はムエタイゴリラとのニックネームを持ち、アジア人離れしたフィジカルを武器に、ムエタイの強豪を破り、梅野源治に先んじてムエタイのラジャダムナンスタジアムの王者に輝いています。
対する長島☆自演乙☆雄一郎選手は日本拳法仕込みのパンチでK-1で旋風を巻き起こしたことで有名です。
ムエタイルールということで、現役王者のT-98選手が有利と見られていますが、K-1で数々の番狂わせを演じてきた長島選手の一発が入れば番狂わせが起こる可能性も十分あります。
宮元啓介 vs 小笠原瑛作
宮元啓介選手は空手をバックボーンにしており、空手仕込みの蹴り技や特徴的なボディーブローが武器の選手です。今年3月には那須川選手には敗れていますが、10月にはムエタイのWPMF世界スーパーバンタム級タイトルに挑戦し、強豪のタイ人を三日月蹴りでKOするなどこの階級トップクラスであることを証明しています。
本来、宮元選手は工藤政英選手との対戦が決まっていたのですが、工藤選手が10月の別大会でKO負けしたことを受けて安全面への配慮から欠場し、小笠原瑛作選手が代役として選ばれています。
小笠原選手は持ち前のスピードを武器に初代REBELS 52.5kg王者にもなっている実力者です。
大月晴明 vs スターボーイ・クワイトーンジム
大月晴明選手はノーガードで相手の懐に飛び込み、「爆腕」と呼ばれるハードパンチでKOの山を築いてきたキックボクシングのレジェンドです。年齢は試合時には43才を迎えていますが、今年4月には蘇我英樹の引退試合にて3RKO勝利を収めるなど、その攻撃力は健在です。
スターボーイ・クワイトーンジムはWPMF世界フェザー王者で、「切り裂き王子」との愛称があるほど素早く振り下ろす肘打ちが武器の選手です。日本人相手には4戦3勝1分で、その1分けも梅野源治を相手にダウンを奪ってのドローなので、紛れもないトップ選手です。
旗揚げ戦は12月5日、TDCホールにて!
全6試合と試合数は少なめですが、会場に来たファンが全ての試合を集中して楽しめるよう、あえて少なめに設定しているとのことです。その内容はここまで紹介してきたとおり、全てがメイン級のものばかりなので、絶対にハズレのない大会になるでしょう。
記念すべき第一回大会は12月5日(月)に東京ドームシティホールにて開催されます。