2016年11月04日

ファミレスのアルバイトのキツさや面接の内容など経験者が実情を紹介

ファミレスのアルバイトは、高校生から受け入れている所が多く、店舗数も多いので学生に人気の定番アルバイトの一つではないでしょうか。
ただ実際に働いてみないとどれくらいキツいのか、やりがいがあるのか、コミュニケーションがあるのかなどはわかりませんよね。

私はこれまで塾講師、イベントスタッフ、家庭教師、ファミレスのアルバイトを行ってきたので、それらとの比較からファミレスのバイトの良いところ、悪いところについて紹介していきます。

キッチンとホールについて

ファミレスのバイトは主に「キッチン」と「ホール」に分かれています。キッチンは調理をする仕事、ホールはお客さんに配膳する仕事ですね。
必ずしも性別によってどちらか、というわけではありませんが男性はキッチン、女性はホールになることが多いです。

一人ひとりが全てその組み合わせにしなさい、というわけではありませんが、総じて見るとやはり男性はキッチン向き、女性はホール向きだと思います。
というのもキッチンの仕事はラッシュ時には調理場がパンクすることが多く、マニュアル通りに作ってはとても間に合わないの、状況に応じて提供時間を遅滞させないようにるのは男性の方が向いているでしょうし、ホールの仕事はお客さんに対する人当たりがなにより重要ですし、皿やグラスを運ぶときに荒っぽいことをすれば大惨事になってしまうので、丁寧に仕事ができる女性の方が向いているかなと思います。

もちろん自分は男だけどホール向きだ、女性だけどキッチン向きだという人もいるかもしれないので、ご自身でどちらが希望かを伝えたほうが良いでしょう。

ちなみに私が働いていたファミレスでは学生の女性アルバイトは全員ホールでした。学生の男性アルバイトはほとんどキッチンで人当たりの良い人はホールをやってましたね。母親世代になるとキッチンをやる人もおおかったですが。

仕事はキツい?

私はキッチンをやっていたのですが、ハッキリ言って仕事はかなりキツかったです。おそらく客としてみているよりも何倍も忙しいしキツいです。

ラッシュと言って昼と夜の食事時になると、1時間半くらいの間に休日だと150人ほどのオーダーが一気に来ます。それを4人ほどで裁かなくてはなりません。もちろん作り置きのものではなく、オーダーが来てから調理するわけですから、90分で一人あたり40人分、大体60品くらいを調理するので猛烈な忙しさです。

フライパンは3つまで稼働できるのですが、3つではとても足りず、4つ5つと脇において準備することもザラです。それだけでなく裏のレンジで解凍したり、ドリアを作ったりと、同時に5,6個くらいは調理しないととても裁けないのです。

やったことがない人からするとそんなのできないと思われるかもしれませんが、案外現場でもまれているとできるようになるものです。半年もしないうちに反射的に体が動いてくれるはずです。
むしろできるかどうかよりも忙しすぎて疲れることのほうが辛かったですね。

ホールは?

私はホールの仕事を事細かに知っているわけではありませんが、やはりラッシュ時は目が回るような忙しさです。デザートを作るのはホールの仕事ですし、ラッシュ時は配膳だけでも大変ですが、食べ終わったお客さんの皿をひっきりなしに下げなければなりませんし、シンクの所が山のように皿が積み上がります。

駆け足でホールを回ることもしばしばでホールも相当忙しそうです。

面接で聞かれることは?

面接の内容自体は凄くオーソドックスで、志望動機やこれまでの経歴などを聞かれるくらいです。
私のところは人手不足だったので、ほとんど面接で落とされるようなことはありませんでしたが、人員が十分な所はしっかりとした受け答えをしないと落とされてしまうことがあるかもしれません。

ただし就職活動のように根掘り葉掘り聞かれたり、トリッキーな質問が飛んで来るわけではありませんので、ホントに緊張することなく気楽に受けたほうが良いと思います。
もちろん最低限のマナーや、「よろしくお願いします」といった挨拶などは欠かさないようにしましょう。

雇う側からすると途中でバックレられてしまったり、余りにもいい加減な調理をされてしまったりするのがリスクなので、そういったことをしない人間だ、と伝えられるのなら十分でしょう。

時給は良いの?

私が別の時期に行っていた塾講師と比べると時間外労働が全くと言っていいほどなかったので、基本的に提示された時給は保証されます。塾講師のときは実質時給が600円の時とかありましたからね…。
それに規程時間を超えた場合は残業として割増の給料がしっかりと出ていたので、今考えると結構ちゃんとしてるなと思います。なにせ社会人になると残業代出ないところなんてザラですからね。

時給は立地や店舗の儲け具合によって異なりますが、概ね高くもなく低くもなくといったところでしょうか。都心だと1000円超えることもありますが、そうでなければ800~950円くらいが相場でしょう。

また24時間営業をしているところは深夜バイトで時給が1.25倍に上がります。(これは労働法によって決まっているそうです) フリーターの方なんかは深夜に8時間入ることが多かったのですが、キッチンもホールも一人でこなさないといけないので、それなりにスキルが求められます。深夜と言えども10人ほどいっぺんに来られると一人で捌くのはなかなか大変だったりします。

覚えることは多い?

ホールよりもキッチンのほうが単純に調理工程を覚えるという意味で大変です。なにせメニューは50以上あって、それぞれのメニューを作るための調理時間、分量、食材の位置を把握して置かなければならないので、どうしても時間がかかります。

パスタやドリアなどを担当する側と、揚げ物やサラダなどを担当する側で二分されていて、当初はその半分だけを覚えればよいのですが、一人が皿洗いなどに入ったときは、もうひとりが全てのメニューをこなさないといけないので、結局全てのメニューを覚える必要があります。
それに四季ごとにメニュー改定が入るので、一度覚えれば終わりというわけではありません。

まあ結局どんな仕事でも覚えることが少ないなんてことはないですが、中の上くらいには覚えることが多いと思います。

料理できないけど大丈夫?

もちろん自宅で料理をしたことのある人の方が、何もしたことがない人よりも早く適応できるとは思います。ですが、求められるスキルはかなりファミレスという形式に特化しているので、慣れてきた頃には自宅の料理とは全く別物だということがわかるはずです。

つまり料理ができないと最初は辛いかもしれないけど、慣れてきたら問題ないということです。基本的に質より速さが求められる世界で、なおかつ食材も既にカットされてあるものを使う事が多いので、繊細な作業はしなくても調理できるようになっています。

逆に言うと、ファミレスでの調理スキルが上がっても自宅での料理に活かされるわけでありません。フライパン捌きなどは驚かれることはありますが、食材選びとかその加減とかは分からないわけですから、美味しい

髪の色は明るくても良い?

詳しくは忘れてしまったのですが、規程で髪を染めてはいけないと書かれていたような気もしましたが…実質的にはキッチンもホールもどちらも染めて大丈夫でした。
さすがにホールであまりにも明るい色なら染め直させられるでしょうが、茶髪にしている人はたくさんいて、お咎めなしでした。当時の私はキッチンで結構明るくしていましたが、特に何も言われませんでしたね。

ただし店舗や店長によって方針が違って黒髪でないとダメというところもおそらくあると思います。
それに関しては実際に面接で聞いてみないことには何ともいえませんね。

人手不足のところに注意

同じチェーン店であっても店舗によってまるで雰囲気が違っていて、人手が十分に足りていない所から、すぐに辞めてしまう人が多くて人手不足のところまでまちまちです。
私が働いていたところは人の入れ替わりが激しくて、特に学生バイトが不足していたので夜間が常に人手不足でした。そうなると勝手に希望していないシフトが入れられたりしていて、その度に店長と交渉することになります。(店長は店長で1日16時間とか働いていたので必死だったのでしょう)

気が弱い人だとそのまま丸め込まれてしまうこともあるでしょうし、何なら辞めますよ、くらいに強気に出ないと強引にシフトを入れられてしまうので注意が必要です。
また、慢性的に人手不足だと新しく入ってきた人に十分指導する時間を割けなかったりと、色々なところにしわ寄せがきます。

なかなか外部から人手不足かどうかは把握しづらいのですが、ラッシュ時に目に見えて提供時間が遅いような店舗は人手不足の可能性が高いです。私もラッシュ時にキッチン2人だけで150人くらい捌いたことがあるのですが、どんなに急いでも提供時間が30分くらいになってしまい、お客さんから遅いとクレームが来ていたそうです。
知り合いの人が働いていればそこで聞くのが一番かもしれませんね。

スタッフ同士の交流

もちろん店舗や中にいる人の性格にもよると思いますが、概ねスタッフ同士の仲は良いと思います。私もそれほど活発な方ではありませんでしたが、よくバイト帰りに同僚と食事に行ったり遊びにいったりしていました。

中には仲の良い男女でカップルになることもありましたし、休憩時間に一緒になったときはよく話すことも多いので何かと機会もあると思います。
もちろん必ずしもできるわけではないし、ここですんなり作れるような人は大学でも作れると思います。あくまで機会としてあるかどうかというとある、という解釈です。

塾講師をしていたときはお互い話さずに黙々と作業している事が多かったので、それと比較すると随分コミュニケーションが多くて今思えば楽しかったなと思うことが多いです。
仕事プラスαを求める方にはおすすめです。

総合的に見ると…

これらの要素を全て総合して考えると、それなりに良いアルバイトだったと思います。
それほど稼ぎが良いわけでもありませんし、楽な仕事ではありませんが、後から振り返ってみればラッシュ時に素早く料理を捌く経験は他では得られないやりがいがありましたし、スタッフ同士の仲が良くてプライベートでも遊びに行くことがあったのは良い思い出ですね。

ただキッチンにせよホールにせよ向き不向きがあって、キッチンの場合は機転が利いて素早く調理ができない人、ホールの場合は人当たりが良くない人は何かと辛い事があると思います。逆に向いている人ならやりがいを感じられると思います。

もちろんどんな仕事でもやっていたら楽しいことばかりではありませんが、後から振り返ると、良い思い出だったか悪い思い出だったかは分かれます。自分にとっては良い思い出のほうが多いので、その点から見ておすすめのアルバイトです。

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