2016年11月10日

パチンコ屋の深夜清掃員の良いところ悪いところ、時給まで内情を紹介します

パチンコ屋の深夜清掃員というとあまりイメージが湧かないかもしれません。
パチンコ屋が夜に閉店した後、店舗の清掃をする仕事で、短時間で働ける深夜バイトとして時給が良くなっています。ただしパチンコ特有の掟を守らないと怒られてしまったりと辛いところもあるようです。

この記事は、実際にパチンコ屋の深夜清掃員をされていた方の体験談です。

面接から採用まで

求人誌で見つけた23~1時の2時間だけの深夜清掃員募集の求人があり、電話で応募しました。

当時は17~22時で他のバイトをしていたのですが、収入を上げたいのといつも寝るのが遅かったので、それならその時間にバイトできないかという発想の元、応募しました。
支店や店舗がないため、清掃会社本社の人事部に電話し、求人誌を見て電話したことを伝えると数日後に近くのカフェで面接することになりました。

当時大学生の私は、前髪を数回脱色して黒と金のツートーンで長さも結構長かったのですがそのまま面接し、一週間後に電話で合格をいただき、そのまた数日後に同じカフェで仕事内容の説明があると言われました。
そこで仕事内容の説明と給料の話、出勤日数の話、契約書を書く等の一通りの作業を終えて数日後から働き始めました。

時給と仕事内容

この仕事は時給制ではなく日給制で、一日2時間で2300円でした。

一応手当が支給され、バイクや車通勤の場合はガソリン代、残業になった場合は残業代(単純に作業が遅いせいで残業になった場合は支給されません)、定員6人で作業するのですが欠員が出て少ない人数で作業する場合は欠員手当が支給され、月の出勤数を多めに入れれば5~6万円くらいの給料になります。

仕事内容は、パチンコを拭く人一人・スロットを拭く人二人・掃除機掛け二人・灰皿交換や雑務をする人が一人で、その担当の通り遊技台を拭いたり掃除機掛けをしたり、たばこの吸い殻処理をします。
また、みんな自分の担当だけではなく、早く終わった人からどんどんみんなの手助けに行きます。

私は複数の店舗にヘルプに行くこともありましたが、どこの店舗でも同じ内容でした。更に別の清掃会社で同じような仕事をしている友人に聞いても、仕事内容は同じだったので会社によって大きく異なることはありません。

辛さや忙しさ

パチンコ屋の店員さんより立場が下になるので、注意は頻繁にされますし、何回か大声で怒鳴られたこともあります。そしてパチンコ屋という、接客業の中でもお客様の層が悪いことが多い業界なので、店員さんはストレスが溜まっているように感じ、その憂さ晴らしのような理不尽な言葉も浴びせられることが稀にありました。

肉体労働なので、体力がない人には辛い仕事ですが、私は今まで運動部にも地域のクラブ活動等にも参加したことの無いインドア人間でしたが、全然平気でした。むしろ毎日のちょっとした運動と思ってしまえば、それでお金が入るので楽だとさえ感じてきます。

それでも忙しいことには変わりありません。常にトップスピードで仕事をしていないと時間内に作業が終わりませんし、急いでやらなければと思っていると汚れの拭き残しやゴミの拾い残しが出てしまい、その場合は総動員で汚れのあった個所、ゴミのあった個所を清掃し直します。

注意点

実際に働いてみて知ったことですが、パチンコ屋の店員さんは閉店後に頻繁に台を開け閉めします。その場合はあまり、まじまじとその光景を見ていると怒られてしまうので作業に集中しなければなりません。しかし作業に集中しすぎていると、今度は店員さんが近くの台を開けていることに気付かないで怒られてしまうので、結構神経質にならなければいけません。

そして一番注意しなければいけないのは、現金です。
遊戯したことない人にはわからないと思いますが、パチンコもスロットもサンドという台の横にある機械に紙幣を入れ、玉若しくはメダルを借り、遊戯をします。
閉店後にはそのサンドから現金を抜く作業を偉い人がやるのですが、この時に現金回収をしている島(列のことです)に居てはいけないのです。これは私たちだけではなく、パチンコ店に勤めているバイトや正社員も同じです。ある程度の階級の人でないとその島にいることが許されません。

正直、もう少し優しくしてくれれば良いのにと思ったことが何度もあるのですが、店員さんが現金回収をする時はこちらに何も言わずに作業を開始するのです。だいたいは音や気配で気付くのですが、稀に気付かないことがあり、かなり怒られます。

現金程ではないですが、落し物には敏感です。
よく遊戯されて帰った方が台にたばこやライターを忘れていってしまうことがあります。作業の邪魔なので着用しているエプロンのポケットに入れておくのですが、それを忘れて店を出てしまうと後日こっぴどく怒られてしまいます。

また、床に落ちていたり、台に残っているメダルや玉も全て回収して集めておかなければなりません。
ですが作業の最中も店員さんは台を開け閉めしてメダルや玉をたくさん落とし、そして放置していかれるので、全体の作業が終わった時に全員でもう一度チェックをしなければなりません。自分が見回ったところにメダルや玉が落ちていたら、店員さんと上司の両方にお叱りをいただくことになります。

得たものと失ったもの

この業界で得たものですが、社会人としての自覚でしょうか。

私の初出勤の時にちょっと問題が発生し(私ではなく上司が問題を起こしました)、その時に店の偉い人に言われたことが「あなた方が社員であれバイトであれ、今日が初出勤であれ(この時私をガン見してました)、私たちはあなた方を清掃のプロとして見ていますし、その上で仕事をお願いしてお金を払っているんです。なのでしっかりその自覚をなさってください。」と言われました。

厳しい業界だなと思いましたが、そこで働き続けることによって大学生ながらに少し社会の厳しさと大人という責任の重さを感じました。これは私にとって本当に大きな収穫だったと思っています。

そしてこの業界で失ったものですが、正しい生活リズムでした

私は大学生だったので毎日授業があり、そして他のバイトもありました。元々寝るのが遅いからその時間に働ける仕事を探して働き始めたのですが、ただ家で起きているのと仕事をするのでは消費労力が違います。加えて私は1限からの授業が多く、寝起きも悪いために家にある木製の長椅子に横になり首元にアラームをセットしてバイブも鳴るようにした携帯を置いて寝るという生活をしていました。
なのでその分、1限からではない日や休みの日は十分に休息を取っていました。

ちなみにこの業界で出会いですが、私は18~30歳くらいの人に会ったことありません。一度だけ30前半の可愛らしい女性が入ってきたのですが既婚者でした。基本的には副業として家族のため、子供の塾のため進学のためという頑張るお父さんしかいません。
辛いことの多い職場でしたが、私にとっては勉強になるしそれなりのお金も稼げる良い職場でした。

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