2016年10月29日

ジャンプで大人気のラブコメディ「ゆらぎ荘の幽奈さん」の魅力を徹底紹介

「僕のヒーローアカデミア」や「ブラッククローバー」など週刊少年ジャンプには着実に新しい風が吹いていますが、その中でもちょっと異質なのがこの「ゆらぎ荘の幽奈さん」です。
温泉✕幽霊ラブコメディと銘打たれたこの作品の魅力にるいて紹介していきます。

週刊少年ジャンプと言えば日本を代表する漫画雑誌媒体ですが、そんなジャンプにおいて今最も勢いのある漫画が「ゆらぎ荘の幽奈さん」です。
2016年から連載を開始したばかりで、現在単行本は3冊しか発行されていませんが、前評判以上の売れ行きを見せていて重版が相次ぎ、2巻だけで50万部を突破する人気ぶりとなりました。

3巻の発売時にも予約ランキングで1位になるなど、もしかしたら未来のジャンプの看板作品かも?と思わせるほどの勢いです。
エッチな描写もあって敬遠している人もいるかもしれませんが、ゆらぎ荘の幽奈さんの魅力はそれだけではありません。ちょっぴり感動する場面もある素晴らしい漫画なので、紹介させていただきます。

ゆらぎ荘の幽奈さんとは

ゆらぎ荘の幽奈さんは週刊少年ジャンプにて2016年の10号から連載開始されています。

作者はミウラタダヒロさんという方で、前作では同じくジャンプにて恋染紅葉というラブコメディを連載していました。こちらは大変女の子がかわいくて一部では評判の作品だったのですが、残念ながら4巻発行時点での打ち切りとなってしまいました。

そして恋染紅葉に続く作品がこのゆらぎ荘の幽奈さんです。
女の子が可愛くて魅力的というところと、ラブコメディであるところは共通していますが、ゆらぎ荘の幽奈さんでは登場人物ごとに1話~3話くらいの短い話がローテーションで回されていくという所が異なっています。
他の作品で言うとニセコイに違い形式ですね。

それとエッチな描写がこちらのほうが強くなっています。唐突にパンチラ描写があるなど、結構思い切った攻め方をしてくるので、見ていてドキドキしてしまいます。

あらすじ (ネタバレあり)

この作品はヒロインである湯ノ花幽奈が幽霊であるということから、霊能力をベースにした話になっています。

主人公の冬空コガラシは、生まれたときから幽霊に憑依されやすい体質で、それが原因で卓球選手だったり、ロッククライマーだったり、串焼き師だったりと、色んな霊に付きまとわされていました。
そしてデイトレーダーの霊に憑依された時に、株の投資に失敗し多額の借金を作ってしまい、それ以来極貧生活を強いられていました。

そんなある日、幽霊にいじわるされていた老夫婦を助けた際に、ゆらぎ荘というところに格安で住めるという情報を聞きつけ、ゆらぎ荘に入居することになりました。
しかし格安である理由は地縛霊が憑いていて、入居する人は皆それに恐れて退去してしまうためだったのです。

その地縛霊こそヒロインの湯ノ花幽奈で、ゆらぎ荘の四号室に住んでいる幽霊です。
自分がどうして幽霊になってしまったかの記憶がなく、気づいたらゆらぎ荘に居着いてしまった幽霊で、現世にやりたいことや見たいものが沢山あるということで成仏せず、ゆらぎ荘での生活をエンジョイしていました。

しかし霊能力を持たない者にとっては怖い幽霊にしか見えず、それがもとで何人も退去してしまったことから、あまり人前には出ないようにしていました。コガラシがやってきた時も、霊能力と知らずにコソコソしていましたが、コガラシが霊能力だと知ると堂々と姿をあらわすようになります。

ちなみにゆらぎ荘では幽奈を成仏させると家賃が無料になると言われてコガラシがやってきたので、当初はお金のために幽奈を成仏させようといました。
しかし幽奈と一緒に過ごしていくうちに、いつしかお金のためではなく本心から成仏させてあげたいと思いようになります。

幽霊は長い間地上に居つくことはできますが、それは永遠にいることはできず、また余りに長い時間地上にいたものは悪霊となってしまう可能性があるため、幽霊歴が長い幽奈と言えども、いつかは成仏しなければならないのです。

そんなコガラシを間近で見続けていた幽奈も徐々にコガラシに惹かれていきます。当然幽霊ですから付き合ったりすることはできないものの、幽奈は人に触れたり、物を動かすことができる特性があり、寝相が悪いこともあって、毎晩のようにコガラシに抱きついてしまいます。
起きる度に恥ずかしがり屋の幽奈はポルターガイスト現象を起こして、コガラシを突き飛ばしてしまうのですが、物語が進んでいく度にそれも少しずついい感じになっていきます。

女性キャラクターが全員魅力的

あらすじを見れば分かるように、話の大筋は主人公のコガラシが、ヒロインの幽奈の未練を叶えてあげて、幸せな形で成仏させてあげるというところにあります。
ただし幽奈ばかりが出てくるというわけではなく、他のキャラクターがメインの回もローテーションで巡ってくるので、サブキャラクターにもスポットが当たっているのが特徴です。

というわけでその他のキャラクターを紹介していきます。

雨野 狭霧

単行本2巻の表紙にもなっているとおり、数ある女性キャラクターの中でも出番が多くなっています。
主人公のコガラシが住んでいるゆらぎ荘は男子禁制というわけでもないのですが、不思議と霊能力を持った若い女性ばかりが住んでいて、狭霧もその中のひとりです。

狭霧は女子校育ちでいわゆる典型的な男嫌いのキャラクターではありますが、それは慣れていないだけで意外とチョロいところもあります。

くの一の里の出身で、戦闘能力にも優れたエリートなのですが、自分が女性らしくないと勝手に思い込んでコンプレックスになっているところが可愛らしいポイントです。

宮崎 千紗希

宮崎千紗希はコガラシが通う学校のクラスメイトで、アイドル事務所からもスカウトされているという噂が立つほどの美貌を持っています。
化狸のこゆずに霊能力を使って襲われそうになったところをコガラシが助けたことから、コガラシの友人としてよく登場しています。

千紗希は霊能力を持たない普通の人間なので、地縛霊の幽奈を見ることができませんが、見えないながらもお互い友達として筆談で話しているシーンは凄く微笑ましいです。

現実ではあり得ないですが、千紗希も男子を遠ざけてきたので、最初は取っ付きづらかったものの、割りとチョロいところがあります。というかこの漫画の女性キャラは全員チョロインです。

その他のキャラクター

もちろん女性キャラクターはこれだけではありません。

酒呑童子の末裔で無類の酒飲みかつ漫画家の「荒覇吐 呑子」は典型的なエッチなお姉さんキャラ。
コガラシよりも1学年下の「伏黒 夜々」は猫神に憑依されて身も心も猫のようです。
またゆらぎ荘の仲居さんである「仲居 ちとせ」は座敷童子で外見は13才ですが、実は中身は大人というギャップのあるキャラクターです。

これらのキャラクターはゆらぎ荘の住人なので第一話から登場しています。

また物語が進んで登場してくるキャラクターとして、千紗希の胸が見たいがあまりいたずらをしてしまった化け狸の「信楽 こゆず」、唯一の戦闘パートで登場し、黒龍神の尾から生まれた神刀である「朧」も今ではメインキャラクターの一人です。

やっぱりどのキャラクターも女性で、狸のこゆずを除けば全員美少女という奇跡的なコラボレーションです。しかもほとんどのキャラクターが早い段階で、コガラシに惚れつつあるというハーレムものでもあります。

話の根幹としてはコガラシが幽奈を成仏させてあげるというちょっと重たそうに感じられるものですが、実際には重いどころか、むしろ少年向きのアッサリとした作風です。
また1話〜3話ほどの短い構成のストーリーが繰り返されていく形式となっており、全てのキャラクターがメインの扱いになるストーリーがローテーションで回されていきます。

そのため特定の誰か一人のキャラクターが好きな読者でも、読んでいるうちにいずれはそのキャラクターの回が来るので、ファンも浮かばれるというものです。

コガラシと幽奈の関係性が微笑ましい

サブキャラクターもどれも魅力的で捨てがたいのですが、私が一番応援したくなるのはやっぱり主人公のコガラシとヒロインの幽奈との関係です。

先程も説明したように、当初は打算的な目的で幽奈を成仏させようとしたコガラシですが、幽奈の真っ直ぐな思いやこれまでの不遇な人生を省みることで、幽奈を本心から成仏させてあげたいと思うようになります。

幽奈は基本的に寝る時も学校に行くときもコガラシにベッタリ着いていて、コガラシ以外には見えないものの、物を動かしたりする能力はあるだけに、コガラシが入学早々、宮崎千紗希のスカートを捲ってしまったりとトラブルを起こしてしまいます。

コガラシがそんな状況を見て、入学時に自分が霊能力者であることをカミングアウトしますが、周りからすればおかしな人にしか見えず、男女問わず周りから陰口を言われる始末です。
そんな状況を見かねて学校に行くのをやめると言い出す幽奈ですが、コガラシが男らしく、幽奈がいたおかげで新しい出会いがあるから気にするなと言って安心させてあげます。

他にも臨海学校中に男女ペアになって踊るチークダンスの時間も、コガラシは幽奈と踊るのですが、他人からすればコガラシが一人で踊っているようにしか見えず、クスクス笑われてしまいます。幽奈はまたやめようといい出しますが、コガラシは「気にすんな。俺には見えている。」と言って、幽奈を泣かせたりとコガラシさんが本当にいい男なんです。

ただこんな幸せな時間は長くは続きません。いつかは幽奈は成仏しなければならないからです。

読者からしてもこんな時間が一生続けばいいのにと思うところですが、そうも行かない事情が何とも物悲しく、一話一話を大事に読みたいと思わせられるポイントでもあります。

唐突に幽奈が成仏する展開になるとしたら、打ち切りの危険なシグナルなようにも思えますが、今の所は全くそんなことはなく、割とのんびり色んなキャラクターのストーリーがローテーションで回されているので安心です。
いつになるのかはわかりませんが、成仏するまでの時間は長く見たいなんて考えてしまいます。

途中からでも読んでほしい作品

ゆらぎ荘の幽奈さんはこれを書いている時点ではまだ35話ほど、単行本も3巻までしか発売されていません。
それに単発のストーリーが繰り返される形式なので、途中から入っても十分楽しめるはずです。

正直、ゆらぎ荘の幽奈さんを初めてみたときはこんなに人気の出る作品だとは思っておらず、当初は流し読みしていたのですが、だんだんキャラクターが深掘りされるたびに、これは絶対に面白くなる!という確信が出て、今ではジャンプで最も好きな作品になっています。

エッチな描写が多いですが、その割にほっこりしたり感動する話があって、嫌な気持ちになったり落ち込んだ時に読むと気分がスッキリします。ぜひ皆さんも読んでみてください。

ゆらぎ荘の幽奈さん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
  • メディアKindle版
  • 作者ミウラタダヒロ
  • 出版・メーカー集英社
  • 発売日2016-06-17

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