懐かしの名作戦略ゲーム「天下統一シリーズ」についての評価、思い出

初代「天下統一」の発売は27年も前のこと

今回書いていくのは「天下統一Ⅱ」ですが、初代「天下統一」も歴史に残る捨てがたい名作です。
私も「天下統一Ⅱ」にハマる前に、まず先に「天下統一」にハマりました。

福岡のシステムソフトという会社で(当時、ゲームメーカーも今ほどたくさんあるわけではなかったんですが、珍しく東京ではないゲーム会社が頑張っていました。いまでも頑張っておられますね)、「天下統一シリーズ」が産声を上げました。
もともと黒田幸弘さんというボードゲームの草分け的な存在の方が発案されたものらしく、ボードゲームの面白さをPC上のゲームにされたのでしょう。なぜなら、KOEIの「信長の野望」、「三国志」など、ビジュアル重視のゲームとは一線を画したビジュアルの貧弱（失礼！）さだったから、そう思う次第です…。
武将の顔なんてもっての他、地図なども簡易な大きなドットで、今の若い方が見たら驚かれるかも知れないくらいの見た目でした。

ですが、この初代「天下統一」、その分ゲームバランスが秀逸で、とてもエキサイティングで面白かったのです。
プレーヤーがゲームに上達してきて勢力を伸ばしても、きっちりコンピュータの敵側もプレーヤーに匹敵、もしくは上回るような勢いで勢力を伸ばしているのです。当時の(もしかしたら今もそうかも知れませんが)国産ゲームで、これだけシビアな戦略ゲームというのは珍しかったと思います。
そのシビアさが、とてもおもしろかったのです。

初代をパワーアップした「天下統一Ⅱ」

そんなエキサイティングな初代「天下統一」でしたが、まだ城の数や武将数なども少なく、外交や合戦もとてもシンプルで(それはそれで面白かった)、比較的短時間でゲームが終わってしまう規模のものでした。

そして、待ちに待った「天下統一Ⅱ」の発売。
初代のシンプルでありながら上辺に囚われないシビアで深いゲームバランスのまま、城数や武将数も数倍の規模に広がり、外交や合戦も複雑になってパワーアップしてくれました。
見た目も（やはり他のゲームに比べれば素っ気ないですが）きめ細かにもなっています。
黒田幸弘さんが継続してゲーム作りに携わっておられます。コンピュータAIの強さも初代と変わらずシビアです。

段々ゲームに慣れてくると…

そんな敵AIがシビアな「天下統一Ⅱ」ですが、ハマってやりこなしてくると、やはり簡単になってきました。
弱小すぎる豪族をプレーヤーが選んだ場合は、ほとんど攻略はほとんど無理ではありますが(中には強者がおられて、加賀の富樫などで統一してしまう人もいましたが・・・)、私は弱小勢力プレー派ではありません。

「縛りプレー」を自分なりに編み出し、飽きることなくこのゲームにハマり続けました。
例えば「引き抜き不可」「セーブロード不可」「忠誠上げコマンドを制限する」などなど。
特に織田家のプレーでは、史実に則るプレーを心がけ、隣国の弱小松平家を滅亡させないように助けてあげながら(これが非常に難しい。今川はなんとかできても、武田もいれば北条もいて、しかも松平の領土を移動できないのだから、助ける術はほとんどなかったりする)、と妄想ロマンプレーにいそしむ毎日でした。勉強はそっちのけになってしまいましたが…それだけ楽しかったということです。

今思うと、とても幸せなゲームに出会えたなと思います。
このゲームをきっかけに、自分でプログラミングを勉強し始め、実際に似たような戦略ゲームを全て一人で作ったりもしました(公開は事情があってできませんでした)。

「天下統一シリーズ」はこの後も５まで発売されていますが、初代とⅡを超えるものは出てきません。他の戦略ゲームも、海外を含め優れたものがたくさんあるのですが(例えば歴史シミュレーションでいうと、VictoriaやEuropa Universalis、スウェーデンのパラドックスインタラクティブ社はいい仕事をしています！おすすめです)、やっぱりこの「天下統一Ⅱ」は超えられないと私の中では感じます。
それくらい素晴らしいゲームでした。