ゲームだけじゃない!VRがスポーツ中継を進化させる?
2016年10月13日にいよいよ待望のPlayStation VRが発売されました。VRという新しいメディアによってこれまでにない体験が楽しめると評判は上々です。
今の所目立っているのはゲームソフトばかりですが、実際はスポーツなど他のジャンルでもそれ以上の楽しめるのではないかと考えています。この記事ではスポーツにフォーカスしてVRがもたらす可能性について書いてみました。
いよいよ本日PlayStation VRが発売されましたね。
私は購入を試みたのですが、予約があっと言う間に完売してしまったので残念ながら購入することはできませんでした。
でも前々からVRには凄く期待していて、体験会には何度か参加して何度かその映像を体験したこともあります。そこで感じたVRとスポーツの未来について少し展望を書かせていただきます。
VRは映像メディアの革命だ
これまで映像メディアというのはより高画質という路線で進化してきた歴史があります。
ブラウン管のテレビは解像度が640×480だったのが、今では地上デジタル放送によって1920×1080のフルHDで当たり前になっていますよね。
ビデオなどの記録媒体もDVD、Blurayと記憶容量が増えているのも、映像を劣化させずに高画質な動画を長時間保存できるようになってきたという歴史です。
最近では4k画質なんていって、フルHDよりも縦横2倍の解像度のメディアまで登場しています。
ただ解像度の進化=体験の進化ではない、と皆さんも感じていませんか?
例えばアナログ放送から地上デジタル放送に変わって映像が鮮明になっても、人間の目がそれに慣れてしまって映像のコンテンツ自体が面白くなるわけではないから、必ずしもテレビ放送を楽しく見れるようになったわけではないですよね。
テレビゲームの進化も同じで、映像がより鮮明になってもそれに比例して売上が伸びるわけではないから、開発側はどんどん苦しくなって面白いゲーム性のもので勝負しようという冒険ができなくなっている、なんて話も聞きます。
でもVRってそういう一方向的な進化とは全く違う次元の体験を生み出すもので、メディア自体の方向性をガラッと変えてしまう可能性があるのではないのかなと私は考えています。
スポーツこそVRの本丸だ
PlayStation VRやOculusなど現在市場に出ているVR機器はゲーム以外にも使用できる一方で、商業的にはゲームとして使われることが多くなっています。
これはゲームと相性がいいからということもあるでしょうが、ゲームはソフトメーカーの裁量で進められるから比較的足が速いコンテンツであることが影響していると思います。
例えばスポーツ中継の場合、既存のテレビ局の映像をすぐにVR対応させることは難しいですし、VR対応した映像が確保できたとしても、インターネットで流す場合にプラットフォーム側が必ずしも360度動画に対応しているとも限りません。
このようにゲームには解決すべき厄介事が少なかったことから、ゲームが真っ先にVRコンテンツとして名乗りを上げているのだと思います。
でも私個人はスポーツ中継こそVRの強みが発揮できるのではないかと考えています。
実はソフトバンクもゲームよりスポーツや音楽の分野の方が相性が良いと考えており、VR対応のストリーミングサービスへの投資を行うなど、「感動の進化」と称してVRに高いポテンシャルを感じているそうです。
スポーツ映像を仮にVR対応できるとしたら、テレビよりもインターネットの方が相性が良くなると思います。
なぜならインターネットはテレビにはない双方向性があって、複数のカメラ視点があるとして、スマホならワンタッチで視点を切替えたり、スポーツのスタッツの切替えなどもスムーズに行うことができるからです。
またスポーツ配信もインターネットによるストリーミング化が進んでおり、例えばJリーグがスカパーとの独占契約から、インターネットストリーミングサービスのDAZNの独占契約に変わったことは話題になりました。
地上波で高い視聴率は得えられないものの、特定の趣味嗜好を持ったユーザーに高い求心力を持つスポーツ中継は今後ストリーミング化がどんどん進んでいくでしょう。
ソフトバンクが投資しているNextVRのように新規企業でVR対応のプラットフォーマーも誕生していますし、ソフトバンクのような映像権利を持っているところが映像を提供することで、近いうちにスポーツの中継のVR対応は実現すると思います。
これまでの固定カメラによる映像ではなく、選手に近い視点だったり、別の観客席からの視点だったり、ユーザー自身が好きな視点から360度の映像を楽しむことができるのならば、最高にエキサイティングですよね。