奇跡の優勝に貢献したレスターの岡崎慎司はなぜ試合に出られないのか

なぜ岡崎はレギュラー落ちしたのか

レスターのフォーメーションは4-4-2の2トップを採用しており、フォワードは2名です。
最も序列が高いのがバーディで、昨シーズン突如ブレイクして24得点を上げている選手です。
これまではバーディと並んで岡崎がスタメン出場していたのですが、今シーズンからは事情が変わっています。

それは今季新たに獲得したイスラム・スリマニの存在です。
スリマニはアルジェリア代表の選手で、昨シーズンポルトガルリーグで33試合27得点という実績を上げている選手で、レスターはクラブ史上最高額となる約40億円の移籍金で獲得したと言われています。(実際には非公開ですが、英メディアの報道による)

契約期間は5年で、2021年までと長期に渡りレスターでの活躍が見込まれている選手で、このスリマニがレギュラーに入ったことで、序列的に岡崎がスタメン落ちすることになってしまったのです。

今季レスターは不調だが、岡崎の起用は少ない

昨シーズンにリーグ優勝したレスターですが2016-2017シーズンは早くも低迷の様相を呈しています。
8試合を消化して2勝2敗4分で、20クラブ中13位に沈んでいます。

この不調にはメディアからの批判も多く、中には岡崎を起用するべきだという意見も存在します。

岡崎は少ない出場機会ながらも、リーグカップにてチェルシー戦で2得点を上げるなど、存在感を発揮していますが、序列が変わることはありません。
もちろんカップ戦だから序列への影響は低いという見方はあり、リーグ戦では未だ無得点なので、こちらで結果を出すことが求められているでしょう。

CLデビューも出場時間は8分

昨シーズンの覇者であるレスターはチャンピオンズリーグ(CL)への出場権を手にしており、岡崎にとってはキャリア発のチャンピオンズリーグ出場のチャンスを得ています。

10月18日のCL3戦目にしてようやく出場機会を得ましたが、出場時間はわずか8分に終わっています。
試合には勝利したものの、レスターはどこか精彩を欠いており、それについて岡崎は以下のように話しています。

ピッチに立ってみて思いましたけど、なかなかチームが難しい状況になっているなと。端から見ていても、『何でそこで？』という感じで見ていましたけど、入ったらチームが本当に守っているだけという状況でした。みんなでガッと行く感じじゃない。そりゃ、あれだけ起点を作られたら、『クロスに持っていかれると危ないな』という場面が続いていた。

引用元: http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161021-00010003-sportiva-socc

岡崎はフォワードですが、前線からの激しいプレスがレスターでの役割となっており、昨シーズンは36試合5得点と見かけの上ではさほど見栄えのする数字ではありませんが、ディフェンスでの貢献度が評価されて不動のレギュラーとなっていました。

今年のレスターは岡崎が出場していないからか、守備で浮ついている場面があり、岡崎は自身が入ることでチームの状況を変えられるのではないかと話しています。
事実、地元メディアからも岡崎待望論が巻き上がっており、本来ならばもっと出場機会が与えられても良いところなのですが…なかなか歯がゆく感じるところです。

今後レギュラー奪取はあるのか

傍から見ていても岡崎を起用することでもっとレスターは良くなるのではないかと思われることがある一方で、少なくとも短期的なレギュラー奪取は厳しいのが現状です。

まずバーディは昨シーズン24得点を挙げた絶対的エースであり、さらに新加入のスリマニは40億円という移籍金を支払っており、まだ加入して間もないので今すぐ判断する段階にはありません。
残念ながら序列としてはバーディやスリマニより劣っているのは事実で、彼ら2人が活躍すればもはや岡崎に出番はないかもしれませんし、いずれかが低迷すればチャンスが巡ってくるかもしれません。

ベンチにいるサッカー選手は、チームが勝つことを望んでいる一方で、スタメン選手が活躍すれば自分にチャンスが巡ってこないという矛盾した気持ちを抱えるものです。
岡崎も現在フラストレーションを溜め込んでいますが、いつの日か爆発させる日は来るのでしょうか。