2016年11月03日

プロ野球2016年シーズンのFA宣言に注目が集まる選手たち

プロ野球も日本シリーズが終了し、いよいよ選手の移籍が本格化してくる頃です。11月2日には大田泰示や吉川光夫を含む日ハム&巨人間の大型トレードが成立し、プロ野球界を騒がせました。

これからFA宣言による移籍も起こってくる頃合いですが、そもそもFAとはどのような仕組みなのか、またどのような選手が移籍が有力視されているのかチェックしていきましょう。

FA権とは

FAとはフリーエージェント=Free Agentの頭文字を取った言葉で、選手が12球団いずれの球団とも契約をすることができる状態を示します。選手は一定の条件をみたすことでFAになることができる権利を持てるのですが、これを「FA権」と言います。

またFAには国内の球団のどことでも契約が結べる「国内FA」と海外の球団と契約が結べる「海外FA」があり、それぞれの、FA権を取得するまでの条件は以下のようになっています。

  • 国内FA / ドラフト時に高校生の選手…累計8年で取得
  • 国内FA / ドラフト時に大学生または社会人の選手…累計8年で取得
  • 海外FA…いずれの条件でも累計9年で取得

プロ野球は他競技と比べると人材の流動性が小さくなっているのが特徴で、一度入団した球団に原則としてFA権を取得するまでは自発的に移籍することはできません。メジャーリーグへの移籍の場合のみ球団に譲渡金が入るポスティングシステムというものがありますが、これは現在でいうと大谷翔平のようなメジャーからの評価が高い一部の選手のみに限られます。

FAの特徴として、選手は行使すると所属球団を含む12球団との争奪戦になるため年俸が跳ね上がることが多く見られます。そのため巨人や阪神のような金銭的に余裕のある球団が有力選手を迎い入れることが多くなっています。
一方でFAを行使できるにも関わらず、あえて行使せずに所属球団に残る選手もいます。例えば黒田博樹や三浦大輔などは残留したことでファンから絶大な支持を得ています。

FAを行使する前には球団は基本的に慰留の交渉をするのですが、それでも行使する選手には残留を認めないこともあります。また移籍した選手の中には裏切り者扱いされることもあるため、非常にシビアな状況に置かれます。
それでも行使する選手としてはより強い球団に行きたい、高い年俸を得たい、違う環境でプレイがしたいといったモチベーションがあるため、難しい選択となるのです。

選手のランクによる補償

FAで選手を獲得した球団は、放出した球団に対して人的および金銭補償をしなければなりません。
また選手のランクによって人的補償の有無、金銭補償の額が変動します。

人的補償の内容

人的補償というのは球団が28人までのプロテクト枠および新人選手を除いた選手の中から、放出する球団が欲しい選手を選択できる権利です。

当然、獲得する球団は有力選手や期待の若手をプロテクトするのですが、なかには人的補償で獲得した選手が大化けすることもあります。

その代表格が2014年にFAで広島から大竹寛を獲得した際に、巨人から人的補償で一岡竜司が広島に移籍しました。そして一岡竜司は今や広島の中継ぎに欠かせない選手となり、大竹寛よりも活躍しているほどです。

選手のランク

各球団ごとに、FA移籍をする選手の年俸が上位何位に入っているかで選手のランクが決まります。

  • ランクA…年俸がチーム上位3位まで
  • ランクB…年俸がチーム4位から10位まで
  • ランクC…年俸がチーム11位以下

ここで補償が必要なのはランクAおよびランクBの選手に限られます。
補償の内容としては、人的補償の有無によって異なります。

人的補償なし

  • ランクA…獲得する選手の年俸の0.8倍の金銭
  • ランクB…獲得する選手の年俸の0.6倍の金銭

人的補償あり

  • ランクA…人的補償の対象1人+年俸の0.5倍の金銭
  • ランクB…人的補償の対象1人+年俸の0.4倍の金銭

FA権を持つ有力選手

日ハム 陽岱鋼

走攻守全てが一流の日ハムの顔でもある外野手です。今年も打率.293、14本、61打点と中心選手の一人として活躍し、シーズン途中に中田翔に変わって四番を打つことも有りました。

日本シリーズ優勝時には涙を流すなど日ハムカラーの強い選手ですが、今の所FA宣言するかどうかは微妙なラインと見られています。昨年には契約更改で一度は保留にするなど金銭面でもやや不満があるのかもしれません。

11/7 追記

11月7日にFA権の行使を宣言しました。
日ハムの若返りに向けて、チームの構想外になってしまったことが原因だそうです。
ただ上記の成績に加えて、ゴールデングラブ賞も受賞するなどまだまだ戦力だっただけに辛い決断だったでしょう。

オリックス 糸井嘉男

超人とも呼ばれる圧倒的な身体能力を持つ球界屈指の外野手です。35歳になりましたが、最年長で盗塁王を獲得し、打率も2年ぶりに3割に乗せるなど衰えは微塵も感じさせません。

オリックスはFA権の行使をした上での残留をた上で、11月1日に行使を宣言しています。オリックスは既に4年で16億円の条件を提示しており、阪神含む複数球団も獲得交渉を行うものと言われています。
おそらく今オフで最も目玉の選手でしょう。

ソフトバンク 森福允彦

軟投派の左腕投手で、コンスタントに50試合以上を登板している貴重なの中継ぎ投手で、昨年の年俸は1億2000万円でした。

球団は残留を希望していましたが、11月4日にFA権を行使しました。
既に巨人らが強い関心を示しているとのことです。

楽天 嶋基宏

楽天の顔として不動の正捕手として、ゴールデングラブ賞やベストナインの受賞歴もあります。
4年契約中だが、一定条件でFA宣言が可能とされていましたが、10月18日に残留および生涯楽天を宣言しています。

楽天 聖澤諒

連続守備機会無失策の日本記録を持ち、2012年には盗塁王を獲得した俊足に加えて、今年は打率がキャリアハイとなる.294を記録しています。
一方でここ数年はレギュラーから外されることもあり、出場機会も含めてFA宣言をする可能性があると言われています。

西武 岸孝之

ノビのあるストレートと切れ味鋭いカーブを武器とする西武のエースとして、ほとんどのシーズンで2桁勝利を達成している投手です。

11月2日にFA権の行使を宣言しており、西武は残留も認める方針です。楽天が岸の獲得に乗り出し、3年で12億円以上の大型契約を用意しているとのことです。

中日 大島洋平

2度の3割超え、1度の盗塁王を獲得したことがある、中日不動の1番バッターですが、査定に厳しい中日にあって、これまでも年俸に対する不満を公言していたため、FA移籍が有力視されていましたが、早々と残留宣言をしています。

(監督が)一番残して欲しい選手だと言っていると代表から聞きました。何度か電話もして、残って監督を優勝させてあげたいという思いで決めました。

正直悩みましたが今はもうスッキリしています、ドラゴンズは今年最下位だったので、来年はファンの方にもいい思いをしてもらいたいですし、来年に気持ちを向けてやっています、地元出身なので、もっと沢山の人にドラゴンズを応援してもらいたいです

中日に対する恩義が強く、残留したいという意思が強かったようですね。

中日 平田良介

チャンスに強い中距離バッターで2015年にはベストナイン、侍ジャパンにも選ばれている好打者です。
平田も中日の中心選手ながら2016年の年俸は7000万円と辛い査定になっていることから、これまで年俸に対する不満を口にしていました。

11月2日に球団と残留交渉に望み、今の所残留は「フィフティーフィフティー」とのことです。

DeNA 山口俊

今シーズン初めてのクライマックスシリーズ進出に貢献する、11勝をあげたDeNAのエースです。一部報道では行使が濃厚とも言われています。
DeNAとしては行使しても残留を容認するとのことです。

11/8 追記

11月8日にFA権の行使を決定しました。
当日の朝まで悩んでいたそうで、チームへの愛着を表しながらも、他の球団からの評価を仰ぎたいとのことです。

選手会長であり、チーム最多の11勝をあげるエースであっただけにDeNAとしては戦力ダウンは必至でしょう。ただし残留は認めているそうなので、わずかながら残留の可能性はあります。

ヤクルト 坂口智隆

昨年オリックスを対談し、ヤクルトに入団してから見事にカムバックした強肩巧打の選手です。ヤクルトに拾ってもらった恩があるとしてFAの行使はしないとのことです。

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