2016年11月11日更新

2016年シーズンのプロ野球UZRランキング【ゴールデングラブ賞は守備の名手?】

11月8日にゴールデングラブ賞が発表されました。
最多の7度目の受賞となった糸井嘉男をはじめ、藤田一也、今宮健太らおなじみの選手も受賞しています。
一方で坂本勇人は鈴木誠也ら大活躍した選手は初受賞となっています。

しかし、そんなゴールデングラブ賞は実態と乖離しているのではないか?という声があるのも事実です。
そこで守備の貢献度を数字で表した「UZR」という指標のランキングを作成して、データから見る守備の名手は誰なのかをチェックしてみました。

1位 西川遥輝(18.2)

打撃センスを開花させた日ハムの若きスピードスター

  • セーフティバントで一塁到達時間3.57を記録した俊足の持ち主
  • 2014年に盗塁王を獲得
  • 2016年にはリーグ2位の打率を残している
西川遥輝

UZRは堂々の12球団トップで、パ・リーグの外野手の中では群を抜いて高いにも関わらずゴールデングラブ賞には選ばれなかった。
当初はポジショニングなどに不安があったが、今では広い守備範囲を生かして数字にも現われているように、守備での貢献度も高くなっている。

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2位 菊池涼介(17.3)

異次元の守備でチームを救う「忍者」

  • 常人離れした身体能力の持ち主
  • メジャーリーガーも息を巻く圧倒的な守備範囲を誇る
  • リーグ上位の打率で、打撃も得意としている
菊池涼介

破天荒な守備で何度もチームの危機を救った。
絶対に取れないであろうボールを豪快にキャッチしてアウトにしているので納得の数字。

捕殺数は歴代上位3位を菊池一人で占めている。

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3位 中島卓也(15.9)

驚異的な粘りで四球を引き出すくせ者

  • 見極めが難しいボールを簡単にファウルにする粘り打ちが武器
  • 守備の名手でUZRは遊撃手として12球団トップ(2016年)
中島卓也

遊撃手としては12球団トップのUZRを記録しているが、ゴールデングラブ賞は今宮が4年連続受賞している。
中島と言えばファウルを打つカッティングが武器だが、バント成功率も100%で小技に本当に強い。

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4位 坂本勇人(15.1)

天才的な内角打ちが武器の巨人キャプテン

  • フォーム改造で打撃開眼
  • 2016年シーズンに初の主要タイトルとなる首位打者を獲得
  • 打撃だけでなく守備・走塁の評価も高い
坂本勇人

意外にもゴールデングラブ賞は初受賞となっている。
打撃もさることながら近年は守備の成長も著しく、何度も巨人の投手陣を救う守備を見せた。

フィールディングがとても華麗でお金の取れる守備。

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5位 安達了一(14.8)

難病と戦うオリックス鉄壁のショート

  • 球界屈指と言われる軽快な守備が魅力
  • 2016年は難病の潰瘍性大腸炎で入院するもそれを感じさせない活躍を見せた
安達了一

まさに名手というべき選手で、個人的にはゴールデングラブ賞を取るべきだと思う。
難病と戦いながらも必死に戦う姿に感動させられる。これからも頑張って欲しい。

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6位 中村晃(13.5)

粘り強さと巧みなバットコントロールが売りのアベレージヒッター

  • 粘り強くボールを待って、ヒットを量産するアベレージヒッター
  • 脇を開いて腕を小刻みに動かす不思議なバッティングフォーム
  • 2013年から3年連続3割を達成
中村晃

これまで守備がひどいと言われることが多かったが、UZRはパ・リーグの外野手としては2位で、意外にも守備の貢献度は高かった。
打撃は言わずもがな一流だが、足はそれほど早くない。

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7位 丸佳浩(11.8)

走攻守で躍動する広島の新しい顔

  • 広島最注目のキクマルコンビ
  • 昨年の打撃不振から一転、16シーズンはキャリアハイを達成
  • 顔が大きいことが度々ネタにされる
丸佳浩

セ・リーグの外野手ではNo.1のUZRを記録。守備範囲が広く、ファインプレーも多いので納得の数字。
キクマルコンビはどちらも走攻守全てが一流で人気が出るのも頷ける。

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8位 中村奨吾(11.1)

ロッテの将来を担う、ユーティリティプレイヤー

  • 大学No1内野手として初年度からレギュラーとして出場
  • 打率は2割前半と、打撃が課題となっている
  • 内野でも外野でもこなせるユーティリティ性を持つ
中村奨吾

走攻守三拍子揃った即戦力ルーキーとして初年度から出場機会を多く与えられている。
今の所、打撃はからっきしだが守備は安定しているという印象。初年度にして5つのポジションを守るなど驚異的なユーティリティ性を誇る。

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9位 中田翔(10.7)

リーグ優勝した日ハムの不動の4番

  • 30本近い本塁打を毎年記録する高い長打力
  • 2014年には打点王を獲得し、2016年にも打点王の獲得が有力視される
  • 投手時代には151kmを記録した強肩を武器に、守備の評価も高い
中田翔

中田と言えば強肩を活かしたレフトの守備、というイメージが強いがファーストとしてもトップのUZRを記録し、ゴールデングラブ賞も獲得している。
案外打撃よりも守備の方が得意なのかも?

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  • 作者中田翔,インタビュー・構成 鷲崎文彦
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10位 鈴木誠也(10.3)

2016年最注目の「神ってる」男

  • 2016年シーズン最も飛躍した選手
  • ホームランを打った試合は必ず勝つという「不敗神話」を築いた
  • 打率.335、本塁打29、打点95という驚異的な成績を残した
鈴木誠也

ライトの守備では12球団トップのUZRを記録。
神ってる男は守備でも神っていた。

日本シリーズ敗退後は、試合直後にも関わらず深夜に打撃練習するなど意欲は抜群。
来年以降の活躍でキャリアが決まると言っても過言ではない。

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11位 内川聖一(8.4)

球界最高峰のバットコントロールを持つ巧打者

  • 史上二人目となる両リーグでの首位打者を獲得
  • 7年連続で3割を達成しているように、卓越したバットコントロールを持つ
  • 右打者としては史上最高打率である.378をマークしている
内川聖一

球界を代表する巧打者のイメージが強いが、案外守備貢献度も高かった。
2016年はカメラマンにファウルボールの守備を妨害されて怒ったシーズンが印象的。

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12位 堂上直倫(8.1)

フィールディングに定評のある中日の遊撃手

  • 遊撃手としての守備力を高く評価されている
  • これまで守備固めの起用が主だったが2016年はレギュラーとして活躍
  • 課題の打撃は徐々に改善されている
堂上直倫

どんな体勢からでも矢のような送球ができる凄い守備。しかも内野はどこでも守れる高いユーティリティ性を持つ。
守備範囲も広く、まさに理想的な遊撃手と言える。
あとは打撃をもう少し改善すればレギュラー定着も間違いなし。

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13位 浅村栄斗(8.0)

積極打法が売りの西武の中軸

  • 2013年にブレイクし、110打点を上げて打点王を獲得した
  • 2016年も2013年に次ぐ成績で打率.304、24本塁打を記録している
  • 守備の評価も高く、ユーティリティ性に長ける
浅村栄斗

二塁手としては菊池に次いでNo.2の数値。菊池は人外なので実質No.1と言っても良い。
長打の打てる強打者のイメージが強いが、案外守備力が高いことは前から指摘されていた。

ゴールデングラブ賞は獲得していないので、あまり名手のイメージがないのが惜しい。

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14位 松田宣浩(7.9)

常勝軍団ソフトバンクの元気印

  • ガッツ溢れるプレイでチームを引っ張る
  • 歌舞伎打法とも呼ばれ、空振りの後のケンケンは好調の証
  • 2015年には自己最多の35本塁打、94打点を残した
松田宣浩

高い身体能力を活かした、強肩と守備範囲で三塁手としてはトップの数値。
本塁打もチームトップで、今やソフトバンクの顔ともいえる活躍をしている。

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  • 作者松田 宣浩
  • 出版・メーカー廣済堂出版
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15位 ホセ・ロペス(7.9)

巨人、横浜と渡り歩いた強打者

  • メジャー通算1005安打の実績を持つ長距離砲
  • 来日初の30本塁打を達成
  • 筒香との3、4番コンビは脅威
ホセ・ロペス

今年はDeNAのお粗末守備を代表する試合で、イージーなミスをしてしまった印象が強いが、それを除けば安定した守備と、優れた状況判断で十分名手と言える。
これだけホームランが打てて守れる選手をなぜ巨人は放出したんですかね…。

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16位 雄平(7.5)

投手から転向後、ベストナインを獲得した強打差

  • 投手時代は最速154キロを記録した速球派だった
  • 転向後4年で3割20本を達成し、ベストナインを獲得
雄平

投手時代は150キロ以上を投げていた選手だけに屈指の強肩選手。
あまり守備が良いイメージはなかったが、UZRはライトで12球団2位という数字で、守備貢献度は高かった。

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17位 ブランドン・レアード(6.7)

鮨握りがトレードマークのパ・リーグ本塁打王

  • 2016年に本塁打王を獲得した長打力
  • 三塁手として守備での貢献度も高い
  • 寿司握りのパフォーマンスはおなじみ
ブランドン・レアード

本塁打を獲得したスラッガーだが、守備も良くて度々チームの危機を救っている。
UZRは松田に次ぐ12球団2位。守備範囲、肩ともにサードの中ではトップレベル。

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18位 大島洋平(5.9)

俊足、巧打、堅守と三拍子揃った中日の外野手

  • 俊足巧打が売りの中日の主力バッター
  • 2016年シーズンにはサイクルヒットを達成した
  • 2012年には盗塁王を獲得するなど走塁の評価も高い
大島洋平

持ち前の俊足と、的確な守備判断で赤星から最も守備がうまいとの評価を受けている。
センターとしてのUZRは丸に次いで12球団2位で、ゴールデングラブ賞を獲得。

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19位 マウロ・ゴメス(4.9)

2014年シーズン打点王の阪神助っ人外国人

  • マイナーリーグの実績を買われて来日し、2014年に打点王を獲得した
  • ここ最近成績を落とし、2016年シーズン残留が微妙視される
マウロ・ゴメス

何の変哲もないフライを落としたり、ベースを踏み忘れたりとお粗末な守備が批判されることもあったが、UZRは意外にもリーグ2位だった。
ファーストの守備はネガティブな面ばかりが目立つから、UZRにすると意外な結果になる気がする。

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20位 小林誠司(4.2)

巨人売り出し中のイケメンキャッチャー

  • 球界屈指の強肩で高い盗塁阻止率を誇る
  • 阿部の後釜としては打撃に課題を残す
小林誠司

何かと批難のやり玉にあげられるかわいそうな選手だが、キャッチャーとしてのUZRは12球団トップ。
強肩で盗塁阻止率も高いし、実は捕手の守備としてはトップレベルなのがわかる。きっとイケメンなのでみんな嫉妬しているのだろう。

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21位 田中広輔(4.1)

広島の新しいリードオフマン

  • 2016シーズンに飛躍を遂げた1番打者
  • 同年に28盗塁をあげてリーグ2位の盗塁数を記録した
田中広輔

失策は18とやたらと多いが、UZRはセ・リーグのショートで坂本、堂上に次ぐ3位。エラー数とUZRが比例しないのは堂林の時にも言われていましたね。
ゴールデングラブ賞の得票数でも2位に付けています。

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  • 作者田中 広輔
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22位 山田哲人(3.8)

史上初の2年連続トリプルスリー達成

  • 走攻守全てが超一流の球界の顔
  • 細身ながら本塁打を量産する不思議なパワーを持つ
  • 2年連続盗塁王を獲得しており、走塁もトップレベル
山田哲人

セカンドでは12球団で3位の数値。ただ同じセ・リーグに超人の菊池涼介がいるのでゴールデングラブ賞は当分取れなさそう。(菊池がスランプでレギュラー外されでもすればあるいは…)
守備範囲も広く、フィールディングも良いが肩が弱いと言われている。

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23位 T-岡田(3.7)

豪快なバッティングを持つ浪速のゴジラ

  • 22歳でシーズン30本塁打を早熟のパワーヒッター
  • 名前のTとはティラノサウルスの学名T.rexに由来している
T-岡田

一塁手とレフトを交互に繰り返していたシーズンだった。
巨体なので守備範囲は広くないが、グラブさばきが柔らかく安定したキャッチングを持っている。そのためかUZRは案外24位と健闘している。

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24位 筒香嘉智(3.5)

2016年に2冠王に輝いた日本が誇る大型スラッガー

  • 松井秀喜以来と言われる大型スラッガー
  • DeNAを引っ張る若きキャプテン
  • 侍JAPANの4番候補
筒香嘉智

バルディリスの加入によってレフトに転向した筒香だが、レフトの中で最大の守備範囲とも言われており、イメージとは違って守備はそこそこ良い。実はトップスピードもそこそこ早いらしい。
転向するきっかけになったバルディリスはもういないが、このまま外野で定着しそう。

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25位 栗山巧(3.0)

通算1500安打を達成した西武の中心選手

  • 西武の長年不動のレギュラーとして1500安打を達成
  • プロ入り15年目にしてオールスター初出場、初打席でホームランを打った
栗山巧

2010年にゴールデングラブ賞を獲得しているように、守備自体はなかなか上手い。ただ決定的に肩が弱いので不思議と守備が良い印象がない。
関係ないけどFAは宣言せずに残留してくれたので、なんかホッとさせられました。

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UZRについて

UZRとは「ある選手の守備位置において、他の同じ守備についた選手に比べてどれだけの失点を防いだか」と示すセイバーメトリクスの一つで、信頼できる守備指標の一つと言われています。

これまで分かりやすいファインプレーや、安定したフィールディングなどから名手と呼ばれていた守備の領域において、明確な数値を提示するUZRはしばしば議論にあげられています。

UZRは守備機会における状況に応じて、ヒットの確率が高い球を取ればプラスが大きくなりますが、アウトにできる確率が高い球を取れなければマイナスが大きくなります。
しかし守備位置による補正などはかかっておらず、前進守備をしなければいけない状況でフライが飛んで頭上を越してしまった場合などは、UZRに大きなマイナスとなってしまうので、必ずしも公平ではないとの指摘もあります。

一方でこれまでの指標の欠点を補うものとして信頼できるという意見も強く、守備指標の中で取り上げられることが多いのも事実です。

ゴールデングラブ賞を獲得した選手が必ずしもUZRが高くないとの見解もあり、UZRの指標がより広まることで、過去の「名手」という見解が大きく変わる可能性があります。
UZRの指標を通じてプロ野球をまた違って視点から見ていただければ幸いです。

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