2016年10月17日

165キロを連発した大谷翔平の投球はどれほど凄かったのか

昨日行われたパ・リーグのクライマックスシリーズでは、日本ハムがソフトバンクを破り、クライマックスシリーズ突破、日本シリーズ進出を決めました。

中でも9回にDHを放棄して投手としてマウンドに立ち、クライマックスシリーズ進出を決めるセーブを決めた大谷翔平投手は特に話題になりましたね。

しかも3球が日本最速となる165キロで、最も遅いストレートですら昨日以前は日本歴代2位の163キロというあまりにも異次元な球速に騒然としました。

もしかしたら野球に詳しくない方は160キロといってもそれがどのくらい凄いことなのか、あまり実感がないのかもしれないので、過去の速球派投手と呼ばれた選手の最高速と比較しながら、大谷選手の異次元の球速について考察していきたいと思います。

伊良部秀輝の158キロ

90年代までの日本最速の男と言えば、伊良部秀輝です。
1993年の5月3日の西武戦で清原和博に投じた一球が158キロを記録し、その記録は2005年にマーク・クルーンに破られるまで12年もの間破られることはありませんでした。
日本人選手に関して言えば、2010年に由規が161キロを出すまで17年もの間最速記録として君臨していたことになります。

またオールスターでは松井秀喜を相手に159キロを記録していますが、オールスターは公式戦ではないため、記録にはカウントされていません。

伊良部はロッテで最多勝や最優秀防御率王を獲得するなど、日本を代表する選手で、1997年からは当時としては異例のメジャーリーガーとしてヤンキースに入団。2度の二桁勝利を達成するなど活躍しました。
その後は日本球界に復帰し、阪神に所属しリーグ優勝に貢献しましたが、翌年に戦力外通告を受けて事実上の引退。

その後、ニューヨークに在住し、独立リーグで復帰するなど活動していましたが、2011年に自宅で首を吊って死亡しているのが発見されています。
余りにも壮絶で早すぎる死は多くのプロ野球ファンに衝撃を与えました。

伊良部に並ぶ158キロを記録した日本人選手

伊良部が1993年に出した158キロに並ぶ記録は、由規に破られるまで2名の選手がタイ記録をだしています。

一人目は元オリックスの山口和男。
制球に難があり、あまり目立った活躍はできませんでしたが、二度の158キロを記録するなど屈指の送球派として注目を集めました。

二人目は元ヤクルトで、現在もソフトバンクで活躍する五十嵐亮太です。
ヤクルトでは2004年に158キロを記録し、「速球王」とも呼ばれる速球派として、中継ぎ・抑えとして活躍し、メジャーリーグにも挑戦しました。
日本球界復帰後は、ソフトバンクに所属し、防御率1点台を度々記録するなど安定感抜群の中継ぎとして現在も活躍中です。

由規が161キロを記録

現在もヤクルトに所属している由規(よしのり)が2010年8月26日の横浜戦で、日本最速の161キロを記録します。

これは伊良部の記録を17年ぶりに超える記録で、多くの注目を集めました。

由規は高校時代から速球派として有名で、3年時の甲子園で智辯和歌山戦で記録した155キロは当時高校生最速記録となりました。
また高校生の日米野球の親善試合では157キロを記録するなど、大手メディアでも多く報道されました。

ただし由規が記録した160キロ以上はこの一回のみで、その他は158キロを三度記録しています。

大谷翔平が165キロを記録

由規の高校生記録を破ったのも大谷翔平です。
高校3年時の岩手県大会の準決勝で160キロを記録し、高校生記録となりました。
この記録はメジャーでも高く評価され、実現はならなかったものの、後に大谷がメジャー挑戦表明するキッカケでもありました。

プロ入り後、2年目になる2014年8月に由規の記録に並ぶ161キロを記録。
さらに9月にはそれを超える162キロという日本最速記録を樹立します。

そして今年の2016年には6月に自身の日本記録を上回る163キロ、9月には164キロと記録し、クライマックスシリーズの最終戦で165キロを記録しました。
今年だけでなんと3キロも球速を伸ばしているんですね。

大谷はもはや160キロを記録する試合のほうが多く、常時150キロならぬ、常時160キロという異次元の世界に突入しています。

藤浪晋太郎が160キロを記録

大谷と同年齢の藤浪晋太郎も160キロを記録しています。
今年の9月14日のカープ戦で160キロを記録し、日本人としては由規、大谷翔平に次ぐ、3人目の160キロ投手となりました。

かつては150キロを出せることが一つのステータスになっていましたが、新世代の選手にとっては160キロが新しい基準になりつつあるのかもしれません。

スピードガンによる誤差

これらの球速は球場に設置されているスピードガンによって計測されているのですが、実は球場による誤差が大きいことが指摘されています。

例えば由規が記録した最速記録は神宮球場で、157キロ以上を記録した8度のうちなんと7度が神宮球場となっているのです。
また神宮球場では林昌勇が160キロを記録していますが、その他の球場での最速記録は156キロを2度記録したのみで、神宮球場では10度以上もそれ以上の記録を出しています。

また藤浪が160キロを記録した甲子園球場もスピードガンが早く計測されやすいと言われており、実はスピードガンのよる誤差は思いの外大きいものです。

そのためいかに160キロ投手といっても所属球団のホームスタジアムに左右されることが多く、球速はその選手の能力に直結すると鵜呑みにせず、あくまで参考指標にしたほうが良いとも言われています。

もちろん160キロというのはロマンのある数字であり、ファンがそこに目が行ってしまうのもよくわかります。

世界最速の投手は?大谷翔平を含む世界の速球ランキングを紹介
世界最速の投手は?大谷翔平を含む世界の速球ランキングを紹介
2016年10月16日に行われたパ・リーグのクライマックスシリーズの第5戦において、日ハムの大谷翔平投手が日本最速となる165キロをマークしたことは話題になりました。 しかしメジャーリーグには大谷翔平の165キロを上回る速球を投げる投手が存在します。例えば人類最強と呼ばれるチャップマンは有名ですね。そこでこの記事では世界最速の速球を投げる選手をランキング形式で紹介しています。

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